辞典
物語のテーマ・題材・型を集めた参照棚。ここから次の一本が始まる。
小説や漫画を書く人が「次に何を書くか」を探しに来る場所です。定義だけでなく、型のバリエーションや 具体的な筋書きの種まで載せています。全40項目。
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10項目
記憶
覚えていること・忘れること・思い出し方そのものを主題にするテーマ。記憶の欠落や改変を扱う場合、何が「真実」かを最後にどう定めるかが設計の核になる。
孤独と連帯
一人でいることを選んだ、あるいは選ばされた人物が、他者との緩やかなつながりを見つけていくテーマ。連帯を「恋愛」に矮小化しないことが、このテーマ特有の難しさであり魅力でもある。
時間との闘い
残された時間が限られている状況で、成すべきことを成そうとする人物を描くテーマ。時限の理由が具体的であるほど、一分一秒の重みが読者に伝わる。
償い
過去に誰かを傷つけた人物が、その埋め合わせのために行動するテーマ。許しを得ることをゴールにせず、償う行為そのものに意味を持たせられるかが鍵になる。
身分違い
立場・階級・世界の違う二者が惹かれ合うテーマ。障害が外側(周囲の反対)にあるか内側(本人の引け目)にあるかで、物語の温度が大きく変わる。
世代の継承
技術・仕事・価値観・因縁が親から子へ、師から弟子へと渡っていく過程を描くテーマ。継承がそのまま受け継がれるか、形を変えて受け継がれるかが主題の分かれ目になる。
正体の秘密
登場人物が自分の本当の姿・出自・過去を隠して生きているテーマ。読者にだけ明かすか、最後まで隠すかで、サスペンスの種類が変わる。
選ばれなかった者
勝者・主役・後継者に選ばれなかった側の視点から物語を描くテーマ。負けた事実を変えずに、その後どう生きるかに焦点を当てると独自の強度が出る。
喪失と再生
何かを失った人物が、その欠落を抱えたまま新しい生き方を見つけ直すまでを描くテーマ。喪失を「治す」のではなく「連れて歩けるようになる」過程に重心を置くと物語が浅くならない。
復讐
受けた害への報いを求めて動く人物を描くテーマ。復讐そのものより、それを遂げた後(あるいは遂げられなかった後)に残るものを描くかどうかで作品の深さが決まる。
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10項目
タイムリープ
特定の時間を何度もやり直す、あるいは過去・未来へ移動するプロット型。ループの回数や規則を明確に設計しておかないと、緊張が読者に伝わらない。
デスゲームからの離脱
命を懸けたゲームや競争のルールに縛られた人物が、勝ち抜くのではなく、その仕組み自体から抜け出そうとするプロット型。ルールの外側に何があるかの設計が肝になる。
偽装関係(契約結婚・偽恋人)
何らかの事情で恋人や夫婦を「演じる」ところから始まるプロット型。演技だったはずの関係にいつ本物の感情が滲み出すかを見極める設計が肝になる。
再会もの
かつて縁のあった二人が、時を経て再び顔を合わせるところから始まるプロット型。別れていた期間に何が変わり、何が変わらなかったかの配分が物語の説得力を決める。
最後の一日
何かが終わる日、あるいは人物にとって最後になるとわかっている一日だけを切り取るプロット型。長い年月を圧縮して描く濃密さが持ち味になる。
三角関係
一人を巡って二人が対立する、あるいは一人が二人の間で揺れるプロット型。誰が「悪者」にもならない設計にできるかが、物語の後味を決める。
手紙・遺品から始まる
亡くなった、あるいは連絡の取れない誰かが遺した手紙や品物を受け取るところから始まるプロット型。差出人の不在そのものが物語を駆動する力になる。
追放から成り上がり
居場所を失った人物が、まったく別の場所で力を認められ、頭角を現していくプロット型。追放の理由が後半で意味を変えると、構成が一段深くなる。
入れ替わり
二人の人物の身体・立場・人生が入れ替わるプロット型。入れ替わった当人たちの内面の変化を、周囲との摩擦を通して見せられるかが要になる。
密室・限定空間
外部との往来が絶たれた場所に人物を閉じ込め、その中でだけ起きる出来事を描くプロット型。空間の外に出られない理由の説得力が、物語全体の土台になる。
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8項目
雨
外出を制限し、屋内での対話や足止めを自然に発生させる天候のモチーフ。晴れなら起きなかった出来事を成立させる、物語上の「言い訳」として機能する。
楽器
習得に時間がかかり、音として関係や成長が可視化されるモチーフ。上達の過程そのものが人物の変化を測る物差しになる。
鍵と扉
内と外、過去と現在、許された者と許されない者を隔てる境界を象徴するモチーフ。鍵を「持つ者」と「渡す者」の関係性そのものがドラマになる。
骨董品・古道具
持ち主を何人も経て今ここにあるという来歴を持つモチーフ。物そのものより、それが辿ってきた人の手の連なりに焦点を当てると物語が立ち上がる。
写真
ある一瞬を切り取って固定するという性質を持つモチーフ。写っているものだけでなく、写っていない余白(撮った人、撮られなかった人)に物語を宿らせられる。
手紙
書かれた言葉が時間差で届くという性質を持つモチーフ。会って話せば済むことをあえて手紙にする理由を作れると、単なる小道具を超えた重みが出る。
電車・駅
到着と出発、日常と非日常の境目が明確に区切られるモチーフ。時刻表という制約が、偶然の出会いや別れに輪郭を与える。
料理
手を動かし、材料を選び、味を確かめるという具体的な工程を持つモチーフ。台詞で語らせるより、料理の手順そのもので人物の心情や関係性を語れる。
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7項目
異世界の宮廷
身分・派閥・儀礼が厳格に定められた閉鎖的な舞台。制度そのものが登場人物の選択を縛り、身分違いや正体の秘密のテーマを具体化しやすい。
温泉宿
非日常の滞在時間が区切られ、浴衣という同じ衣装が身分差を一時的に消す舞台。宿という空間の閉じ方・開き方の設計が物語の呼吸を決める。
終電後の街
公共交通が止まり、普段は交わらない人々が同じ帰路の問題に直面する舞台。「帰れない」という制約が、偶然の関わりに理由を与える。
商店街
個人商店の集まりが世代を超えて営みを続ける舞台。一軒一軒に固有の来歴があり、街全体の変化と個人の物語を重ねやすい。
深夜の職場
昼の顔とは違う静けさを持ち、限られた人間だけが居合わせる舞台。営業時間という制約が、そこにいる理由に説得力を与える。
図書館
静けさと膨大な記録が同居する舞台。本や資料そのものが物語の手がかりになり、司書という職業が知の橋渡し役として機能する。
離島
本土からの物理的な距離が、そこにいる人々の生活と関係を濃密にする舞台。船の便数という制約が出入りの自由を制限し、閉じた共同体の説得力になる。
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5項目
元夫婦
一度は正式に結ばれ、そして解消したという事実を持つ関係性。単なる元恋人以上に、生活を共有していた具体性が言葉の端々ににじむ。
師弟
技術や価値観を教える側と教わる側という、対等ではないところから始まる関係性。上下関係がどう変化していくかが物語の推進力になる。
敵同士
利害や立場が根本的に対立するところから始まる関係性。対立の理由が正当であるほど、後に生まれる協力や信頼の重みが増す。
年の差
生きてきた時間の長さの差が、価値観や関わり方に静かな非対称を生む関係性。年齢差そのものより、それぞれが背負う時代の違いに焦点を当てると深みが出る。
幼馴染
出会いの経緯を説明する必要がないほど長い付き合いを持つ関係性。「今さら」という気安さと「今さら」という踏み込みにくさが同居する。