灯台
陸の果てに立ち、暗闇の中で規則的に光を放ち続ける存在として機能するモチーフ。誰かを待ち続ける、あるいは誰かの帰る場所であり続けるという象徴性を持つ。
陸の果て、あるいは孤立した岬や島に立ち、暗闇の中でも規則的に光を放ち続ける存在として機能するモチーフである。灯台の光は特定の誰かに向けられたものではないが、それでも海を渡る者にとっては帰るべき場所の目印になる。この「誰のためでもなく、しかし確かに誰かのためになっている」という性質が、灯台守や灯台の近くに暮らす人物の生き方そのものと重なりやすい。
灯台守という職業自体が孤独と隣り合わせであることも、このモチーフを扱う上で活かしやすい特徴である。長い年月を一人で灯りを守り続ける生活、無人化されていく灯台、あるいは灯台の光を頼りに帰ってくる誰かを待ち続ける日々――光を灯し続けるという行為そのものが、待つこと、信じ続けることの比喩として機能する。
型のバリエーション
- 灯台守が、光を頼りに帰ってくるはずの誰かを何年も待ち続ける型。
- 無人化が決まった灯台の最後の点灯を、灯台守が一人で見届ける型。
- 灯台の光にまつわる古い言い伝えが、物語の謎の手がかりになる型。
- 灯台の見える町で育った人物にとって、灯台が故郷の記憶そのものになっている型。
- 灯台守の仕事を継ぐかどうかで、跡継ぎが揺れる型。
筋書きの例
- 遠洋漁業に出た夫の帰りを、灯台守の妻が毎晩欠かさず灯りを確かめながら待ち続ける。無事に帰った日も、帰らなかった日も、灯りだけは変わらず灯り続ける。
- 無人化されることになった小さな灯台の最後の点灯の夜、代々その灯台を守ってきた家の末裔が、先祖たちが記してきた日誌を読み返しながら灯りをともす。
- 幼い頃に見た灯台の光が忘れられず、大人になってその港町を再び訪れた人物が、灯台の管理人となった幼馴染と再会する。
組み合わせやすい題材
舞台の「港町」「離島」、テーマの「孤独と連帯」と特に相性がよい。プロット型の「十年後の約束」を重ねれば、灯台という変わらない目印が約束の場所として機能する。