迷子を送り届ける
見知らぬ子どもを保護者のもとまで送り届けることになった大人を描くプロット型。無関係だった二人が、限られた時間の中で奇妙な連帯を築いていく。
雑踏で見かけた見知らぬ子どもを、保護者のもとまで送り届けることになった大人を描くプロット型である。子育ての経験がない者、子どもが苦手な者、あるいはそれまで子どもとまともに関わってこなかった者が、思いがけず一人の子どもの安全を預かることになる――その状況そのものが、普段は見せない一面を引き出す。送り届けるまでの限られた時間の中で、無関係だった二人の間に奇妙な連帯感が生まれていく過程が、このプロット型の魅力になる。
このプロット型を厚みのあるものにする鍵は、子ども自身にも意志や事情を持たせることにある。ただ保護される存在としてではなく、迷子になった理由や、送り届けられることへの複雑な思いを子ども自身に語らせることで、大人の視点だけでは見えない物語の奥行きが生まれる。
型のバリエーション
- 子どもが苦手な人物が、迷子との道中で少しずつ打ち解けていく型。
- 迷子になった理由が、実は子ども自身の意図的な行動だったと分かる型。
- 送り届けた先で、大人自身にとっても意味のある再会が待っている型。
- 送り届けるまでの短い時間が、後の長い関係の始まりになる型。
- 迷子を保護した側にも、送り届けを急げない事情があると分かる型。
筋書きの例
- 子どもが苦手だと公言してきた人物が、道に迷った子どもを放っておけずに保護者を探す羽目になり、道中で意外にも息の合うやり取りを重ねていく。
- 家出のつもりで迷子のふりをしていた子どもの本当の事情に気づいた大人が、すぐには保護者のもとへ送り届けず、少しだけ子どもの話に付き合う。
- 遊園地の閉園間際に迷子を保護した従業員が、保護者を探す道中で、その子が抱えていた家庭の事情を垣間見る。
組み合わせやすい題材
関係性の「保護者と預かられた子」、プロット型の「雨宿りの出会い」と特に相性がよい。舞台の「遊園地の閉園後」と重ねると、非日常的な舞台装置として迷子探しに緊張感を加えられる。