三角関係
一人を巡って二人が対立する、あるいは一人が二人の間で揺れるプロット型。誰が「悪者」にもならない設計にできるかが、物語の後味を決める。
一人を巡って二人の人物が対立する、あるいは一人の人物が二人の間で心を揺らすプロット型である。安易に片方を「悪者」に仕立てると読後感が単純になってしまうため、三者それぞれに読者が共感できる理由を持たせることが設計の核になる。誰が選ばれるかよりも、選ばれなかった側がどう物語の中で扱われるか――退場させるのか、別の関係を結び直すのか――が作品の誠実さを左右する。
型のバリエーション
- 幼馴染と後から現れた相手との間で揺れる、幼なじみ×新参者の型。
- 二人がすでに互いを知っており、主人公を巡って直接ぶつかり合う型。
- 主人公自身は誰かを選ぶことに関心がなく、周囲だけが三角関係だと騒いでいる型。
- 三角関係の結末が恋愛の成就ではなく、三人の友情や連帯として着地する型。
- 選ばれなかった側の視点に途中で切り替わり、痛みごと描き切る型。
筋書きの例
- 幼馴染との関係に安心しきっていた女が、転勤で現れた同僚との距離が縮まるにつれ、当たり前だと思っていた幼馴染との関係を初めて意識し直す。
- 契約結婚で始めた偽装関係の相手に本気になりかけていた矢先、相手の本当の想い人が現れたことで、主人公は自分の立場が「本物」ではなかったと突きつけられる。
- 二人の男に同時に求婚された女が、どちらを選ぶかではなく、自分がこれからどう生きたいかを先に決めることで、選択の意味そのものを変えていく。
組み合わせやすい題材
テーマの「選ばれなかった者」とはほぼ表裏の関係にあり、どちらの視点から書くかで同じ出来事の意味が変わる。プロット型の「偽装関係」と組み合わせると、演技の関係の中に第三者が割り込む複雑な構図を作れる。