通訳を挟む二人
共通の言語を持たず、通訳という第三者を介してしか会話ができない二人の関係性。言葉の変換に伴う遅れやずれそのものが、関係の緊張と機微を生む。
共通の言語を持たず、通訳という第三者を介してしか会話ができない二人の関係性である。直接言葉を交わせないもどかしさは、通訳という他者の存在を通すことで一定の解消はされるが、完全な解消には至らない。通訳がどれだけ正確に言葉を訳しても、話し手の間合いや躊躇い、言い淀みまでは伝えきれないことがある。そのわずかな変換の遅れやずれこそが、この関係性ならではの緊張と機微を生む。
この関係性はまた、通訳を務める第三者の存在感によっても大きく色合いを変える。通訳が単なる橋渡し役に徹する物語もあれば、通訳自身が二人の間に生まれる感情に気づき、複雑な立場に置かれる物語も成立する。
型のバリエーション
- 通訳を介してでしか会話できない二人が、少しずつ信頼を築いていく型。
- 通訳の訳した言葉と、話し手の本当の意図との間にずれが生じる型。
- 通訳自身が、二人の間の感情の機微に気づいてしまう型。
- 言葉が通じるようになった後も、通訳を介していた頃の関係が名残として残る型。
- 通訳がいない状況で、身振りだけで意思疎通を試みることになる型。
筋書きの例
- ビジネスの商談で通訳を介して向き合っていた二人が、言葉の壁を越えて次第に個人的な信頼を築いていくが、通訳を介さない本音の部分は最後まで想像に頼るしかない。
- 通訳を務める人物が、依頼人同士の間に生まれつつある感情に気づきながらも、自分の役割との間で複雑な立場に置かれる。
- 言葉の通じない相手との会話を、辞書と身振りだけで試みるようになった人物が、通訳がいなくても伝わるものがあると気づいていく。
組み合わせやすい題材
テーマの「言葉が通じない」、関係性の「人間と人ならざるもの」と特に相性がよい。モチーフの「手紙」と重ねると、口頭でのやり取りが難しい分、書き言葉での交流という補助線を加えられる。