手紙・遺品から始まる
亡くなった、あるいは連絡の取れない誰かが遺した手紙や品物を受け取るところから始まるプロット型。差出人の不在そのものが物語を駆動する力になる。
亡くなった人物や、もう連絡の取れない誰かが遺した手紙や品物を受け取るところから始まるプロット型である。差出人がすでにこの場にいないという不在そのものが、物語を静かに駆動する力になる。手紙や遺品を「謎解きの鍵」として機能させる推理寄りの使い方も、「亡き人の思いに触れて生き方が変わる」という情緒寄りの使い方もできる幅広い型だが、どちらを狙うかで文体も構成もかなり変わる。
型のバリエーション
- 遺品の中に隠された謎や秘密が見つかり、その真相を追う探偵的な型。
- 手紙に書かれた最後の願いを叶えるために行動する型。
- 遺品そのものより、それを託された相手との関係が主題になる型。
- 手紙が複数に分かれて渡され、少しずつしか真相が分からない型。
- 差出人が実は生きていた、あるいは事情が異なっていたと後から判明する型。
筋書きの例
- 亡くなった祖父の古道具屋を継ぐことになった孫が、店の奥から見知らぬ客ごとの来歴メモを見つけ、それを手がかりに祖父が長年隠していた商売の流儀と人柄を知っていく。
- 数年前に姿を消した友人から突然届いた手紙に、当時語られなかった別れの理由が記されており、手紙の指示に従って旅に出た主人公が、思いがけない再会を果たす。
- 亡くなった母の遺品の中から見つかった未投函の手紙を、母が本当に届けたかった相手に代わりに届けようとする娘の旅を描く。
組み合わせやすい題材
モチーフの「手紙」「骨董品・古道具」とほぼ一体で使われる型であり、テーマの「記憶」「喪失と再生」とも自然に結びつく。舞台に「商店街」を選ぶと、遺された品物や店が地続きに存在し続ける説得力が増す。