雨宿りの出会い
突然の雨に降られ、見知らぬ相手と軒先や店先で居合わせるところから始まるプロット型。雨が上がるまでという短い時間制限が、二人の距離を縮める装置として働く。
突然の雨に降られ、見知らぬ相手と軒先や店の入り口、バス停の屋根の下などで偶然居合わせるところから始まるプロット型である。何の予定もなく、互いに名前も知らないまま、ただ雨が上がるのを待つだけの時間――その所在なさが、かえって普段なら交わさないような会話を引き出す。雨が上がれば別れるかもしれないという淡い期限が、二人の距離を自然に縮める装置として働く。
この型を印象的にするには、雨宿りという偶発的な出会いを「一度きりの出来事」で終わらせるか、「再会の伏線」として使うかを早めに決めておくとよい。一度きりの美しい邂逅として描く場合は、互いの素性を明かさないまま別れる余韻が効いてくる。再会を前提とする場合は、傘や忘れ物など、次に繋がる小さな手がかりを残しておく必要がある。
型のバリエーション
- 互いに名前も知らないまま、雨が上がるまでの短い会話だけを交わして別れる型。
- 忘れられた傘や落とし物が、雨宿りの後の再会のきっかけになる型。
- 同じ場所で何度も雨宿りに居合わせるうち、顔見知りになっていく型。
- 雨宿りの相手が、実は探していた人物や運命的な繋がりを持つ相手だったと後で分かる型。
- 雨宿りをきっかけに、片方がもう片方の店や職場に招かれる型。
筋書きの例
- 傘を持たずに出た人物が、花屋の軒先で雨宿りをしていた見知らぬ相手と、店主の勧めで一緒に店の奥で雨宿りをすることになり、他愛のない会話を交わすうちに互いの連絡先も知らないまま別れがたくなる。
- 突然の夕立に降られたバス停で相合傘を申し出てくれた相手が、後日、まったく別の場所で店員として再会し、あの日の傘を覚えているかと尋ねられる。
- 商店街のアーケードの切れ目で雨宿りをしていた老人と若者が、雨が上がるまでの間だけ、互いの身の上を少しずつ語り合う。
組み合わせやすい題材
モチーフの「雨」「傘」、舞台の「花屋」「商店街」と特に相性がよい。プロット型の「再会もの」を重ねると、雨宿りの一夜がその後の物語全体の出発点として機能する。