モチーフ・題材

その人物の色

ひとつの色をひとりの人物に結びつけ、色が現れるだけで気配を語らせるモチーフ。色を譲る・失う・他人が纏うことが、そのまま関係の変化になる。

#色#しるし#モチーフ
組み方向

赤い襟巻き、藍の上着、いつも同じ色の傘――ひとつの色をひとりの人物に結びつけておくと、その色が現れるだけで、本人が登場しなくても気配を語れるようになる。遠くに見えた色、置き忘れられた色、他人が身につけている色。名前を出さずに人物を呼び出せることが、このモチーフの第一の働きである。単純な仕掛けだが、繰り返すほど読者の側に定着し、後から動かしたときの効きが大きくなる。

色が人物と結びついた後は、色を動かすことが関係を動かすことになる。譲る、奪う、褪せる、染め直す、捨てる――同じ色を別の人物が身につければ、それは継承にも侵犯にも読める。色を捨てる場面は過去との決別として働き、色が褪せていく描写は本人の変化を語らずに示す。人物が自分でその色を選んだ理由を終盤まで伏せておけば、色そのものが小さな謎として最後まで持つ。

型のバリエーション

  • 定着した色を別の人物が受け継ぎ、色ごと役目を引き渡される型。
  • 色が褪せる、あるいは汚れることで、人物の変化を語らせる型。
  • その色を選んだ理由が、終盤になって明かされる型。
  • 色を捨てることで、過去の自分と決別する型。
  • 二人の色が並ぶ、あるいは混ざることに関係の意味を託す型。

筋書きの例

  • 決まった色の上着しか着なかった人物が亡くなった後、遺された者がその色を身につけ始め、周囲が言葉にせずそれを受け止める。
  • 長く同じ色を纏ってきた人物が、ある出来事を境に、初めて別の色を選ぶ。
  • 人混みの中に探していた色を見つけたと思って駆け寄り、まったくの別人だったことに気づく。

組み合わせやすい題材

モチーフの「影絵で見分ける」と対になり、形と色という二つの手がかりを使い分けられる。モチーフの「表情の型」と重ねれば、遠目の色、近くの顔と、距離ごとに違う手がかりが並ぶ。モチーフの「手袋」のような身につける小道具は、色を持たせる場所として扱いやすい。モチーフの「マスコットという形式」は、少ない色数で覚えられることを前提にした形式である。

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この型を使った実在の作品

関連項目

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