選ばれなかった者
勝者・主役・後継者に選ばれなかった側の視点から物語を描くテーマ。負けた事実を変えずに、その後どう生きるかに焦点を当てると独自の強度が出る。
コンテスト、選抜、恋、後継者争いなどで、勝者・主役・選ばれし者にならなかった側の視点から物語を描くテーマである。多くの物語が勝者の視点で語られる中、このテーマは「負けた後に何が残るか」に焦点を当てる。選ばれなかった事実を覆すことをゴールにすると別のテーマ(成り上がり)に寄ってしまうため、負けたままでどう生きるかを描き切る覚悟が要る。
型のバリエーション
- 三角関係で選ばれなかった側のその後を描く型。恋愛の敗北から立ち直る過程そのものが主題になる。
- 後継者争いに敗れた側が、勝者を支える立場に回る型。嫉妬と忠誠が同居する複雑な感情を扱う。
- 選抜に落ちた者たちが、選ばれた者とは別の道でそれぞれの居場所を見つけていく群像型。
- 「選ばれなかった」ことが実は本人にとって幸運だったと後から分かる型。ただし安易な逆転にしない工夫が要る。
- 選ぶ側だった人物が、選ばなかった者のその後を知り、自分の選択と向き合い直す型。
筋書きの例
- 幼馴染との三角関係で身を引いた女が、二人の結婚式に招かれるかどうかの選択を通して、身を引いたことへの後悔と納得の両方に向き合う。
- 家業を継ぐ資格審査に落ちた次男が、跡を継いだ兄を陰で支える職人として生きる道を選び、表舞台に出ない誇りの持ち方を見つけていく。
- オーディションに落ち続けてきた演者が、舞台には立たない裏方の仕事に本当の適性を見出し、選ばれることだけが成功ではないと実感していく。
組み合わせやすい題材
プロット型の「三角関係」とほぼセットで語られることが多いが、恋愛以外の選抜・継承の場面に置き換えても成立する幅の広いテーマである。「孤独と連帯」と組み合わせると、選ばれなかった者同士の連帯という展開に発展させやすい。