モチーフ・題材

擬人化

道具や場所、暦といった人でないものに人の形と気性を与える型。元の物が持つ性質を人の振る舞いに翻訳できているかどうかで、成否が分かれる。

#擬人化#人ならざるもの#モチーフ
組み方向

道具、建物、天気、暦――人でないものに人の形と気性を与える型である。この型の要は、姿を人にすることではなく、元の物が持っていた性質を人の振る舞いに翻訳するところにある。錆びる物は老いを、減っていく物は寿命を、対で作られた物は相棒を、片方しか残っていない物は喪失を、すでにもとから抱えている。擬人化とはその性質を掘り起こして人の言葉に置き換える作業であり、置き換えが正確であるほど、姿かたちを説明しなくても人物が立つ。

逆に、元の物と関わりのない性格を与えてしまえば、人の形をした別人が残るだけになる。もうひとつの見どころは、人にならない部分をどこに残すかである。使われなければ意味を失う、持ち主が変われば仕える相手も変わる、決められた役目からは外れられない――そうした物の側の理屈は、人の情や倫理と噛み合わない場面を自然に生む。噛み合わないまま終わらせるか、どちらかが折れるかが、この型の分かれ道になる。

型のバリエーション

  • 長く使われた道具に、歴代の持ち主の癖や来歴が人格として溜まっていく型。
  • 対で作られた物のうち片方だけが残り、相方を探し続ける型。
  • 用途を失った物が、自分がここにいる意味を問い直す型。
  • 人の姿を得たことで、道具として扱われることに耐えられなくなる型。
  • 物の理屈を最後まで手放さず、人の情と噛み合わないまま別れる型。

筋書きの例

  • 何代も同じ家で使われてきた道具が人の姿を取り、代々の持ち主の癖をすべて覚えているがゆえに、今の持ち主の不器用さを誰よりも知っている。
  • 二つで一組の物のうち片方だけが人の姿を得て、失われた相方の行方を、持ち主たちの記憶を頼りに辿っていく。
  • 役目を終えて仕舞われた物が、自分をもう一度使う者が現れるまで、蔵の中で年月を数えている。

組み合わせやすい題材

関係性の「人間と人ならざるもの」と直結し、異質さを残したまま心を通わせるという課題をそのまま引き継げる。モチーフの「骨董品・古道具」「楽器」は、来歴と使い手を最初から抱えているぶん擬人化の素材として厚い。モチーフの「マスコットという形式」と重ねれば記号としての強さが、「生き物の名づけ」と重ねれば呼ばれることの意味が加わる。

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関連項目

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