死に戻り
死をきっかけに過去のある時点へ戻り、同じ時間をやり直すプロット型。やり直しが万能になると緊張が消え、前回の記憶の扱いが曖昧だと後半で破綻するため、戻る条件と引き継ぐものを先に確定させておく。
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死に戻り花嫁は、三度目の初夜で毒杯を割る 第三話 香炉を出す
六周目。香炉は、消すのではなく、出す。杯は卓に置き、花は捨て、窓は閉める。三つの毒を、鐘が十になる前に全部潰した。まだ生きている。だから私は、知らないことを一つ、知りに行った。兄が夜、私の部屋を出たあと、どこへ行くのか。狭い階段の上で、背中に何かが触れた。

死に戻り花嫁は、三度目の初夜で毒杯を割る 第二話 窓を閉める
五周目。倒れる私に、夫となる男は「次は、窓だ」と言った。だから今日は、窓を閉める。杯は受け取って、飲まず、割らず、卓に置く。兄には証文の話をしない。花は捨て、香炉は消し、そして鎧戸を下ろす。鐘が二つ、三つ。四周目より長く生きている。その閉めきった部屋の中で、水をかけて消したはずの灰から、甘さが立ちのぼった。

死に戻り花嫁は、三度目の初夜で毒杯を割る 第一話 杯を割る
政略結婚の初夜、花嫁レナは毒杯を飲んで死ぬ。目が覚めると婚礼の朝に戻っている。二度目は寝室の花で、三度目は香炉で死んだ。四度目の朝、鐘が六つ鳴る。今日は杯を飲まない。受け取って、床に落として、割る。夫となる男が動きを止めて、言った。「……また、割ったのか」
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