#大人の恋
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大人の恋
15 作品(小説15件)
小説

会社の飲み会で潰れた先輩を家まで送ったら、玄関で「帰さない」と言われた
入社一年目の俺が、飲み会で潰れた二十九歳の先輩を家まで送ったら、玄関先で「帰さない」と真顔で言われた。実は先輩はそこまで酔っていなくて、俺がちゃんと確認すると、はっきり「今夜は正気だから」と答えてくれた。

同居してる幼馴染に「私の推しに似てる」と言ったら、本気で怒られた
家賃折半で同居して二年目、幼馴染の航に「推しの岸谷レオに似てる」と言った瞬間、空気が凍った。冗談のつもりだった一言に本気で怒った彼が、実は自分を見てほしかったのだと気づいてから、二人の関係は静かに変わっていく。

十年ぶりの同窓会で、当時いちばん話せなかった相手と最後まで残ってしまった
大学のゼミで四年間同じ教室にいたのに、ほとんど言葉を交わせなかった相手と、十年ぶりの同窓会の二次会に最後の二人で残ってしまった。互いに「嫌われている」と思い込んでいた勘違いが解けたとき、三十二歳になった二人の間に、ようやく素直な距離が生まれる。

マッチングアプリで三回目に会った日、彼が私の部屋の合鍵を作ってきた
三回目のデートで合鍵を渡された私は、てっきり「うちに来て」の意味だと思って身構えたら、渡されたのは彼の部屋の鍵だった。勘違いから始まった夜は、変な空気のまま、思いのほか甘い方向に転がっていき、気づけば私は彼の部屋のベッドまで連れていかれていた。

離婚した元夫と、再婚相手の顔合わせ前夜に同じホテルに泊まっている
三年前に離婚した元夫と、妹の結婚式前夜、同じホテルのバーで鉢合わせた。互いに新しい相手がいると思い込んでいたのに、口を開けば出てくるのは、離婚の理由にもならなかった小さな本音ばかりで——三十六歳と三十九歳が、ようやく素面で向き合う一夜。

亡き夫の親友に、四十九日の夜「まだ泣いていないだろう」と言われた
夫を亡くして四十九日、三十五歳の紗和は、葬儀のすべてを取り仕切ってくれた夫の親友、四十一歳の遠野に「まだ泣いていないだろう」と指摘される。悲しみを声に出せずにいた夜、独りで生きていく覚悟だけを固めていた紗和は、その一言でようやく崩れ、二人は喪失の先にある生を、そっと確かめ合うことになる。

社内恋愛禁止の会社で、私は毎週金曜だけ上司の部屋の合鍵を使う
就業規則で社内恋愛が禁じられた会社で、三十歳の主任と三十七歳の部長は、毎週金曜だけ他人のふりをやめる。四ヶ月続いた秘密が、同僚の異動という現実を見せつけられた夜、ついに耐えられない重さに変わる——このまま隠れ続けるか、何かを手放して外に出るか。

不眠の魔導具師 第一話 眠れない夜の客
辺境の街で夜だけ灯る工房。魔導具師レインは、触れた者の「眠れなさの形」を読み取り、安らかな眠りのための道具を作る。ある夜、二年眠れていないという護衛長ヴェラが訪れ、手っ取り早い魔除けを求めるが、レインは安易な処方を拒む。

不眠の魔導具師 第二話 触れる指先
三日ごとに工房へ通ううち、ヴェラは少しずつ二年前の記憶を語りはじめる。触れ合う指先に募る熱を、レインは魔導具師の一線として押しとどめるが、ある夜、ヴェラは自分の望みをはっきりと言葉にする。

不眠の魔導具師 第三話 灯を分け合う夜
最後の支払いを済ませ、ヴェラは客でなくなった。もう一線を引く理由をなくしたレインの前で、彼女は自分の言葉で望みを差し出す。灯り一つの工房に、二人だけの夜が満ちていく――スローバーンの果てに辿り着く、静かな官能の結末。

十歳年下の弟子に「先生と呼ぶのはもうやめます」と言われた夜
夫の遺した硝子工房を継いで三年、四十路手前の澪は十歳年下の弟子・悠一と難しい特注品を仕上げる。窯の火を落とした夜、彼は「先生と呼ぶのはもうやめます」と告げ、抑えてきた想いが静かに動き出す。

離婚届を出した日の夜、行きつけのバーの店主は初めて私の名前を呼んだ
離婚届を提出した夜、三十四歳の千夏は六年通ったバーを訪れる。店主の榊は初めて名前を呼び、「お客さん」で通してきた歳月の理由を、今夜だけ言葉にする。誰も悪くない結婚の終わりと、静かに待ち続けた年上の男の告白を描く、大人のハッピーエンド短編。

五年ぶりに再会した幼馴染の外科医は、もう私を離す気がないらしい
父の緊急手術で五年ぶりに帰った町で、執刀医の欄に幼馴染の名前を見つけた柚葉。何も告げずに町を出た自分を、律は責めもせず、ただ「待っていた」とだけ言う。逃げ場を差し出し続ける彼の静かな執着に、心がほどけていく大人の再会譚。

契約結婚の相手が、契約書にない「毎晩の抱擁」を要求してくる
祖母の遺した古書店を守るため、汐里は一年限りの契約結婚を選んだ。家賃も家事分担も寝室の別も明記された契約書に、夫となる建築家はただ一条だけ、書かれていない条件を加えてきた——「毎晩、少しだけ抱きしめさせてほしい」。

夜の調律師
深夜のバーで週に一度ピアノを調律する三十四歳の女と、閉店後の店にひとり残る三十六歳のバーテンダーが、雨の夜、一年間積み重ねてきた沈黙の距離を越える。「直したくない夜も、ある」という言葉が合図になり、狂ったままの音の続きを二人で確かめ合う。