源氏物語
- 作者
- 紫式部
- 発表
- 1008年
- 国
- 日本
- 媒体
- 小説
平安中期の宮廷を舞台に、光源氏の恋愛と栄華、そしてその子孫の世代までを描く長編物語。五十四帖にわたる構成で人物の内面と時間の推移を丹念に追い、世界最古級の長編小説の一つとして位置づけられている。
1008年頃に成立したとされる王朝物語。宮廷社会の人間関係を背景に、主人公の生涯を少年期から晩年まで連続して描き、さらに次世代の物語へと引き継ぐ構成を持つ。人物の心理を、時間の経過とともに変化するものとして扱う手法は、後世の長編小説が採る形を千年前に先取りしたと評されることが多い。日本の物語文学の源流であると同時に、世界文学史でも最初期の長編散文フィクションとして参照され続けている。
この作品が使っている物語の型
- 禁じられたもの掟や法、身分、道徳によって手を出すことを禁じられた対象に惹かれていく人物を描くテーマ。禁止の正当性を丁寧に描くほど、それを踏み越える重みが増す。
- 三角関係一人を巡って二人が対立する、あるいは一人が二人の間で揺れるプロット型。誰が「悪者」にもならない設計にできるかが、物語の後味を決める。
- 老いと成熟時間の経過によって身体や立場が変化していく人物を通して、若さの喪失を悲劇としてではなく、別の強さの獲得として描くテーマ。