若きウェルテルの悩み
Die Leiden des jungen Werthers
- 作者
- ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
- 発表
- 1774年
- 国
- ドイツ
- 媒体
- 小説
婚約者のいる女性ロッテへの叶わぬ恋に苦しむ青年ウェルテルが、友人への手紙で心情を綴り、絶望の果てに自ら命を絶つ書簡体小説。全欧に熱狂を巻き起こし、ゲーテの名を一夜にして高めた。
1774年に刊行された。手紙という形式が感情の高まりを直接読者へ流し込み、理性より感情を重んじるシュトゥルム・ウント・ドラングの精神を体現する作品として、ヨーロッパ中の若者の熱狂と模倣を呼んだ。その社会的影響の大きさは、感情の伝染という文学の力の最初の大規模な実例とされる。叶わぬ恋の内面だけで一冊を支える構成は、恋愛小説が人物の外面的な事件から自立する転換点でもあった。
この作品が使っている物語の型
- 三角関係一人を巡って二人が対立する、あるいは一人が二人の間で揺れるプロット型。誰が「悪者」にもならない設計にできるかが、物語の後味を決める。
- 手紙書かれた言葉が時間差で届くという性質を持つモチーフ。会って話せば済むことをあえて手紙にする理由を作れると、単なる小道具を超えた重みが出る。
- 沈黙の愛情言葉にしないまま示され続ける愛情を描くテーマ。台詞で説明せず、行動の積み重ねだけで伝わる愛情を描き切れるかどうかが書き手の技量を分ける。