漫画 B-04コマ割り
見開きゴマ
別名: 見開き、見開きカット
左右2ページを1つのコマとして使う最大のコマ。物語の頂点やスケールの大きな場面に使う。
どういう技法か
見開きの左右2ページにまたがって1枚の絵を置くコマである。小学館の新人向け講座は、クライマックスなど大きな表現が必要な場面に効果的であるとし、2ページ全体を使う方法と、上段だけを見開きにする方法を紹介している。コマの中で最も大きく、作品の中でも数えるほどしか使わない特別なコマとして扱われることが多い。
なぜ効くのか
見開きゴマは、ページをめくった瞬間に読者の視界全体を1枚の絵で満たす。ほかのコマと比べて桁違いに大きいため、読者はそこで読む手を止め、絵の細部を見る。大きなコマほど読者が長くとどまるという性質から、物語上の時間も止まったように感じられる。この「止まる」感覚が、山場の重みを作る。作品全体の中で使う回数が少ないほど、その希少さが特別な場面であることを伝える。
やり方
- 作品の中の最大の見せ場を1つ決め、そこにだけ使う
- めくった直後の見開きに置き、直前のページは小さなコマでタメる
- 綴じ目(ノド)に顔や重要な物が来ない構図にする
- 台詞は最小限にし、置くなら左右どちらかの上部にまとめる
使いどころ
物語の頂点、決定的な対決、壮大な風景や大群衆、主人公が新しい世界を目にする瞬間などに使う。上段だけの見開きは、場所の全景を見せつつ会話を続けたい時に向く。物語の転機を読者に強く印象づけたい時に限って使う。
やりすぎ・失敗
多用すると特別さが失われる。綴じ目に顔がかかると印象が壊れる。スマホの1ページ表示で割れる問題は J-02 を参照。
AIコミックでの使い方
1話8ページなら見開きゴマは多くても1回にとどめる。発注書では横長の極端な比率(例 約1.4:1以上)と「中央に重要物を置かない」を指定する。見開きになるページの組は、印刷の右綴じ(偶数が右・奇数が左)と、fantasist.org のリーダーの見開き表示(1・2ページを組にして奇数ページを右に置く)とで一つずれるので、見開きゴマを置くページは両方の組で確かめる。縦スクロールやページ送りでは左右に割れるので、左右それぞれ単体でも成り立つ構図にするか、縦スクロール版では1枚の横長画像として扱うようlayout JSONで分けて定義する。
この技法を使ったAIコミック
まだありません。
出典
- コマ割りについて(後編)
見開きはクライマックスなど大きな表現に効果的、上段だけの方法も
- Comics and Sequential Art
大きなコマは読者を長くとどまらせるとの指摘