漫画 B-02コマ割り
大ゴマ
別名: 見せゴマ
ページの中で特に大きく取ったコマ。見せ場や登場、驚きの瞬間を強調し、読者の視線を集める。
どういう技法か
他のコマより大きく取ったコマで、そのページで最も見せたい絵を置く。小学館の新人向け講座は、何を表現したいかでコマの大きさが変わると述べ、重要な情報や心情は大きなコマで、場面転換程度なら小さなコマでよいとしている。いちあっぷの解説は、ページをめくった瞬間のインパクト、キャラクター登場、物語の見せ場で大ゴマを使うことを挙げている。
なぜ効くのか
大きなコマは目立ち、読者の視線が最初に向かう。山田企画事務所の講座も、大きなコマは強く目立つと説明する。Eisnerは、大きなコマには読者が長くとどまり、小さく詰めたコマは読む速度を上げると述べた。そのため大ゴマは「強調」と「時間を止める」の二つの働きを持つ。周りに小さなコマがあるほど、大きさの差が効いてくる。
やり方
- ページごとに見せ場を1つ決め、そのコマを大きく取る
- 大ゴマの直前は小さなコマを重ねて、差とタメを作る
- めくった直後の右上や、左ページの左上など目に入りやすい位置に置く
- 大ゴマの中の台詞は少なくし、絵を見る時間を確保する
使いどころ
主要人物の初登場、決定的な瞬間、感情の頂点、場所の全景を見せたい時に使う。めくりの受けのコマとして使うと効果が大きい。作品の世界観を印象づける最初の見開きにも向く。
やりすぎ・失敗
大ゴマを毎ページ多用すると、強調の意味がなくなる。大ゴマに情報の少ない絵を置くと、ページが間延びする。台詞をたくさん入れて絵を隠すのも避ける。大ゴマの中身が小さな人物だけだと、大きくした意味が伝わらない。
AIコミックでの使い方
大ゴマは絵の出来が作品の印象を左右するため、発注書では構図・カメラ位置・光源・背景の奥行きを他のコマより詳しく書く。人物を大きく描くほど顔や手の崩れが目立つので、手は隠す・握る等の単純な形を指定し、複数回生成して選ぶ。layout JSONではフキダシを絵の端に寄せる。
この技法を使ったAIコミック
- 境界の従者 第1話「守られすぎた当主」8ページ(1ページ1コマ)
使った理由: 扉の前に立つ従者を1ページまるごとで見せ、「板一枚の距離」を最後の一枚にゆっくり読ませるため。
- 辺境の鑑定士 第1話「錆びた剣の値打ち」8ページ(1ページ1コマ)
使った理由: ギルドの女の登場を1ページまるごとの大ゴマで見せ、話の最後に新しい人物を強く印象づけるため。
出典
- コマ割りについて(前編)
何を表現したいかでコマの大きさが変わるという原則
- マンガ!コマ割り入門② ~大切なコマとコマ割りの静と動~
めくり直後のインパクトや見せ場に大ゴマを使う
- 第10回 コマ割りに必要な要素
大きなコマは強く目立つという、コマ割りの要素の説明
- Comics and Sequential Art
大きなコマは長くとどまらせ、小さなコマは速めるとの指摘