日本伝承
人間五十年、下天のうちをくらぶれば
人の世の五十年は、天界の時間に比べれば、夢か幻のようなものだ。一度この世に生を受けて、滅びないものがあろうか。人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻の如くなり。一度生を享け、滅せぬもののあるべきか。
- 出典
- 幸若舞『敦盛』。信長との結びつきは『信長公記』首巻(桶狭間出陣の場面)
- 原語
- 日本語
- 誰の言葉か
- 伝承。その人の言葉として伝わっているが、原典では確認できない。信長の言葉として広まっているが、幸若舞の詞章。信長が出陣前に舞ったという逸話は『信長公記』にあるが、詞章のどの部分を舞ったかまでは書かれていない
意味
人の一生は短く、天上の一日にも満たない。生まれた以上、滅びないものは無い。無常を歌いながら、それゆえに今この一戦へ、という気迫に転じる。
背景
一ノ谷で若武者敦盛を討った熊谷直実が出家する物語の一節。
物語で使うなら
死を覚悟した出陣の場面に。信長の逸話が有名なので、あえて別の人物に舞わせると新鮮になる。