漫画 K-01AI制作での運用
絵と文字を分けて作る
別名: 文字なし発注
画像生成AIには文字と吹き出しのない絵だけを作らせ、セリフや描き文字は後から日本語フォントで重ねる。
どういう技法か
AIで漫画を作るとき、画像生成の段階では文字・吹き出し・描き文字を一切入れず、絵だけを発注する運用である。セリフ、ナレーション、擬音は、別のプログラムで日本語フォントを使って重ねる。画像生成モデルは文字を正確に描くのが苦手だと研究でも指摘されており、公式ドキュメントも文字を正しく出すには指示の工夫と繰り返しが要るとしている。
なぜ効くのか
生成画像の中の文字は、字形が崩れたり、存在しない文字になったりしやすい。日本語の漢字は画数が多く、崩れが目立つ。文字を後から重ねれば、字形は常に正しく、書体や大きさも作品全体でそろう。セリフの修正も絵を作り直さずにできるので、推敲と翻訳が楽になる。絵の作り直しと文章の修正が独立するので、制作の手戻りも小さくなる。
やり方
- 発注書に「文字、吹き出し、看板の文字、ロゴを描かない」と毎回書く
- セリフ・ナレーション・擬音はlayout JSONにすべて書き出す
- compose_comic_page.pyで日本語フォントを使って合成する
- 生成画像に文字が混入していたら撮り直すか、その部分を消す
使いどころ
AIで漫画を作るすべての場合に基本とする。多言語版を作る予定がある作品、セリフを後から直す可能性が高い作品では特に重要になる。文字が画面の中の小物(看板、手紙、画面)に登場する場面こそ、後から合成で描く。
やりすぎ・失敗
看板や本の表紙などの小物に、意味のない文字が勝手に描かれることがある。文字のない絵では、どこに吹き出しを置くかを考えずに構図が作られがちなので、空きの指定を忘れないこと。
AIコミックでの使い方
編集部の運用では、発注書の定型文に「画像内に文字を一切入れない(看板・紙・画面も無地か判読できない模様)」を入れる。layout JSONには全コマのセリフを入れ、合成後の画像だけを完成品とする。生成画像は文字なしの素材として保存し、差し替えに備える。
この技法を使ったAIコミック
- 境界の従者 第1話「守られすぎた当主」全ページ
使った理由: 生成した絵には文字を入れず、台詞と枠は後から日本語フォントで描いた。台詞を直すたびに絵を作り直さずに済むため。
- 辺境の鑑定士 第1話「錆びた剣の値打ち」全ページ
使った理由: 生成した絵には文字を入れず、台詞と枠は後から日本語フォントで描いた。生成AIは文字が崩れやすく、台詞を直すたびに絵を作り直さずに済むため。
出典
- TextDiffuser: Diffusion Models as Text Painters(NeurIPS 2023)
拡散モデルは正確で一貫した文字の描画に苦労する
- How to prompt Gemini 2.5 Flash Image Generation for the best results(2025)
完全な文字表現と人物の一貫性には繰り返しの調整が要る