漫画 F-03吹き出し・文字・音
ナレーションとモノローグ
別名: キャプション、ナレーション枠
四角い枠のナレーションで時間・場所・状況を伝え、モノローグで人物の内心を語る。吹き出しの会話と役割を分ける。
どういう技法か
コマの中に、しっぽのない四角い枠を置いて文章を入れる技法である。「三年後」や地名のように時間・場所を示す説明、語り手による地の文、人物の内心の独白(モノローグ)に使う。モノローグは四角い枠のほか、枠なしの文字や柔らかい輪郭の吹き出しで表すこともある。英語圏では、場所や時間、内心の独白、画面外の語りなど、キャプションに複数の種類があると整理されている。
なぜ効くのか
吹き出しは「その場で声として出た言葉」を示す記号として読まれる。四角い枠はしっぽがなく、誰かの口から出たものではないと一目で分かるので、読者は場面の外からの情報として受け取る。会話と説明を形で分けておくと、読者は今読んでいる文が作中の出来事か、語りの補足かを迷わない。語りの枠が一定なら、読者は語り手の存在も自然に受け入れる。
やり方
- 時間・場所の説明は短い四角い枠にし、コマの角に寄せる
- モノローグは話者の近くに置き、形を会話の吹き出しと変える
- 語り手の地の文は、作品を通して同じ枠の形・書体にする
- 一つのコマのナレーションは一か所にまとめ、分散させない
使いどころ
場面転換、時間の経過、回想の入り口、人物の内心を読者だけに明かしたい場面に使う。話の冒頭で世界の前提を短く伝えるときにも有効である。語り手を置く作品では、全体の語り口を統一する手段にもなる。
やりすぎ・失敗
ナレーションで状況を全部説明すると、絵で見せる余地がなくなり話が説明文になる。モノローグが多すぎると、人物の行動より独白を読む漫画になる。枠の形が場面ごとにぶれると、会話と区別がつかなくなる。
AIコミックでの使い方
layout JSONではナレーションをbox、会話をspeechとして分ける。boxはコマの角に置く約束にしておけば、発注書に「左上の角に空きを残す」と書くだけで済む。場所の説明は絵にも描けるので、背景に看板の文字を描かせず、ナレーションの文字で補う。
この技法を使ったAIコミック
- 境界の従者 第1話「守られすぎた当主」1・3・4・5・8ページのナレーション枠
使った理由: 屋敷と峠の説明、従者の内心を四角い枠のナレーションに置き、会話の吹き出しと役割を分けるため。
- 辺境の鑑定士 第1話「錆びた剣の値打ち」1〜3ページのナレーション枠
使った理由: 場所・時間(半年前)・内心を四角い枠に置き、台詞の吹き出しと役割を分けるため。回想に入る合図にもしている。
出典
- Comic Book Grammar & Tradition
キャプションの種類(場所・時間、内心、画面外の語り)
- ふきだし
キャプションボックスは説明と思考の両方に使われる
- まんが家養成講座[フキダシとセリフ]
心の中のセリフ用の吹き出しの形を別に用意する