アニメ D-13作画と動き
エフェクト作画(煙・炎・水)
別名: エフェクト、FX作画、特効作画
煙・炎・水・爆発などの自然現象を、形と動きの約束に沿って手描きで表す作画の分野。
どういう技法か
キャラクター以外の自然現象を描く作画をエフェクト作画と呼び、専門のアニメーターが担うこともある。炎は下から上へ形を運んで消え、外側を赤・内側を黄で温度差を表すと説明される。煙は内側の線を別色で塗り分けて密度を出したり、複数の層を違う速さで動かして立ちのぼりを表したりする。水や水柱は重力を意識して描く。炎・水・風・光・煙などの基礎を集めた教本も出版されている。
なぜ効くのか
自然現象は形が定まらないので、そのまま描くと何か分からない。エフェクト作画は、観客が「炎らしい」「煙らしい」と感じる形の特徴と動きの方向を抽出して強調する。炎なら上昇と先端の消滅、水なら重力による落下と飛沫、煙なら膨らみと拡散である。短い周期をくり返しつつ、ときどき形を変えると、機械的な反復に見えにくいとされる。
やり方
- 現象の動く方向(上昇・落下・拡散)を先に決める
- 数枚の周期(炎なら8枚前後)で形の変化を描き、くり返す
- くり返しの途中に、ときどき違う形の絵を混ぜる
- 色の塗り分け(温度差・影)で立体感と密度を出す
- 撮影で透過光やぼかしを重ねて光や質感を足す
使いどころ
戦闘や事故、焚き火、湯気、雨上がりの水たまりなど、空気感や迫力を出したい場面。場面の温度や湿度を伝えたいとき。人物の芝居が少ないカットに、画面の動きを加えたいときにも使う。
やりすぎ・失敗
同じ周期を長く回すと反復が目立つ。形が細かすぎると動きが読めず、ちらつく。撮影処理に頼りすぎると、作画の形が埋もれて平板になる。人物より目立って主役を食うこともある。
AIアニメでの使い方
モーションコミックでは新しい絵を起こさないので、エフェクトはコマ絵の中に描き込ませておく。そのうえで、炎や煙のある部分へゆっくり寄る、明るさをわずかに揺らすなどで動きを補う。将来、動画生成を使うなら、炎・煙・水は人物より破綻が目立ちにくく試しやすい分野だが、元の絵の形と色を保つよう指示する。
この技法を使ったAIアニメ
まだありません。
出典
- アニメーションのエフェクト作画テクニック
炎・水・風・光・煙・爆発などのエフェクト作画を集めた教本
- 吉田流! アニメエフェクト作画
炎・水・風・光・煙の基礎をタイムシート付きで解説した教本
- アニメーター小澤和則のエフェクト作画のテクニック「炎の動き」
炎は下から上へ、外側赤・内側黄、形を時々変える点
- プロによるアニメーションのエフェクト作画〜立ち込める「煙」の密度感と動感
煙の内線の塗り分けと、層を違う速さで動かす手法