アニメ C-11編集・カット割り
トランジション(カットイン・F.I./F.O.・O.L.・ワイプ)
別名: F.I.、F.O.、O.L.、ワイプ、ディゾルブ
カットのつなぎ方の種類。通常のカット、フェード、オーバーラップ、ワイプなどで時間や場面の区切りを示す。
どういう技法か
トランジションはカットとカットのつなぎ方である。最も基本は効果を付けずに切り替えるカット(カットイン)である。F.I.(フェードイン)は黒などから映像が徐々に現れ、F.O.(フェードアウト)は映像が徐々に消える。O.L.(オーバーラップ)は前の画が消えながら次の画が重なって現れるもので、英語ではディゾルブと呼ぶ。ワイプは、次の画が特定の方向や形で前の画を押しのけるように現れる。
なぜ効くのか
つなぎ方は、前後のカットの関係を見る側に伝える記号として働く。ただのカットは同じ時間の連続、O.L.は時間の経過や心の移り変わり、F.O./F.I.は大きな区切り(章の終わりと始まり)として受け取られやすい。効果の付いたトランジションほど目立つので、使う回数が少ないほど1回の区切りの重みが増す。区切りの記号を作品内で揃えることが大切である。
やり方
- 基本はカットでつなぎ、効果は意味のある区切りにだけ使う
- 時間の経過や回想の出入りにはO.L.を使う
- 大きな章の区切りや作品の始まり・終わりにはF.I./F.O.を使う
- ワイプは場面の転換を軽快に見せたいときに限って使う
使いどころ
作品の冒頭と結末、場面や時間帯の転換、回想への出入り、夢と現実の境目など、区切りを見せたい場面に使う。短い作品ほど区切りの数が少ないので、どこで効果付きのつなぎを使うかを最初に決めておくとよい。
やりすぎ・失敗
O.L.やワイプを多用すると古びた印象や安っぽさにつながる。つなぎ方の意味が場面ごとにばらばらだと、見る側が区切りを読み取れなくなる。フェードが長すぎるのも間延びの原因になる。
AIアニメでの使い方
build_motion_comic.py は現状フェードを使えるので、冒頭のF.I.と結末のF.O.、場面転換のO.L.(フェード同士の重ね)を中心に組む。1〜2分の作品なら効果付きの転換は2〜3回にとどめ、残りはカットでつなぐ。読み上げはフェード中に始めず、画が出きってから始めると聞き取りやすい。
この技法を使ったAIアニメ
- 境界の従者 第1話「守られすぎた当主」10カット目の終わり(峠から屋敷へ、暗転)
使った理由: 峠での出来事から夜の屋敷へ移る時間と場所の切れ目を、黒く落として示すため。
- 辺境の鑑定士 第1話「錆びた剣の値打ち」「視える」・鍛冶場・王への献上のカット(白く飛ばす)
使った理由: 鑑定の力が見せる過去の像に入る境目を白く飛ばして、現在の場面と区別するため。
出典
- 絵コンテの用語と見方
F.I./F.O.とO.L.の絵コンテ用語としての意味
- 絵コンテの描き方・絵コンテ用語の早見表(2014年版)
F.I.は黒から映像へ、F.O.は映像から暗転へという定義
- Types of Editing Transitions in Film — The Ultimate Guide
フェード・ディゾルブ・ワイプの定義と効果