アニメ B-09カメラとショット
主観(POV)
別名: POV、主観ショット、見た目
登場人物の目に見えている景色を、そのまま画面にするカット。見る側を人物の立場に置く。
どういう技法か
主観ショット(POV)は、登場人物が見ているものを、その人物の視点から見せるカットである。日本の現場では「見た目」とも呼ぶ。典型的には、人物が何かを見るカット、その人物の見た目のカット、人物の反応のカットの順に並べる。1927年の仏映画で胸当てにカメラを付けて撮ったのが初期の例とされ、全編を主観で撮った作品もある。
なぜ効くのか
見る側は人物の目を通して世界を見るので、人物と同じ情報しか得られず、同じ驚きや恐怖を感じやすい。見る→見た目→反応の並びにより、見る側は自分の感じたことを人物の感情として読み取る。これが没入感と同一化を生むと説明される。人物の表情を見せる反応カットと組み合わせることで、見た目の情報と感情が1つにつながる。
やり方
- 見る人物のカットを先に置き、誰の視点かを示す
- 見た目のカットは人物の目の高さと向きに合わせる
- 見た目の後に人物の反応カットを置いて感情を示す
- 揺れやぼかし、覗き穴の枠などで主観らしさを補う
使いどころ
手紙や画面を読む、何かを発見する、追われる・覗くなど、人物と同じ情報を同時に知らせたい場面に使う。謎や恐怖の演出で、見る側にも同じ緊張を味わわせたいときにも効く。
やりすぎ・失敗
誰の視点かわからない主観は混乱を招く。主観を長く続けると、人物の表情が見えず感情が伝わりにくい。見た目の高さが人物の身長と合わないと不自然になる。反応カットを省くと、見た目の意味が伝わらない。
AIアニメでの使い方
モーションコミックでは、「人物が見るコマ」→「見た目のコマ」→「反応のコマ」の3枚組で再現できる。見た目のコマは画像生成で人物を描かずに済むので、一貫性の問題を避けられる利点がある。読み上げ台本では見た目のカットに独白を置くと主観が強まる。
この技法を使ったAIアニメ
まだありません。
出典
- Point-of-view shot
POVの定義、見る→見た目→反応の構造、初期の例と全編主観の作品
- Different Types of Camera Shots and Angles in Film
POVが人物の視覚体験に没入させ同一化を生む点