アニメ H-03芝居・演技
目線の芝居
別名: 視線、アイライン、目線つなぎ
人物がどこを見ているかで、関係性や気持ち、次に見せるものを観客に伝え、注意を導く技法。
どういう技法か
目線の芝居は、人物の視線の向き・動き・長さで心理を表す技法である。相手を見る、目をそらす、何かに気づいて視線が止まる、といった変化が感情の変化として読まれる。編集では、人物が画面外を見るカットの次に、その視線の先の対象を見せる「目線つなぎ(アイラインマッチ)」が基本とされる。会話では、二人の目線の向きが合っていることで、互いに見合っていると感じられる。
なぜ効くのか
人は他人の視線を追う傾向があり、画面の中の人物が見る方向に観客の注意も動く。Tim Smith は、観客の注意の向け方が、カットをまたいでも連続して見える理由を説明できると論じている。目線はこの注意の誘導を担う。また、視線をそらす・合わせるといった動きは日常で相手の気持ちを読む手がかりなので、観客は少ない動きからも心理を読み取れる。
やり方
- 人物がこの場面で誰(何)を見ているかを決める
- 視線を向けるカットの次に、視線の先を見せるカットを置く
- 目をそらす・戻すなど、視線の変化を感情の変化に対応させる
- 会話では、二人の視線の左右が逆向きになるよう配置する
- 視線の先をあえて見せず、観客の想像に任せる場合も検討する
使いどころ
会話、何かに気づく瞬間、秘密や隠し事がある場面、画面外に何かがあることを予告したいとき。視線の先を次のカットで見せれば、場面の空間関係を説明なしで伝えることもできる。
やりすぎ・失敗
視線の方向がカットごとにずれると、誰が誰を見ているか分からなくなる。視線の先を見せないまま次の場面に移ると、観客の期待が宙に浮く。目の芝居に頼りすぎて、絵が小さいと伝わらない。
AIアニメでの使い方
fantasist.org のモーションコミックでは、目線はカメラの動きで強調できる。人物の顔から、視線の方向にゆっくりパンして対象で止めると、観客は人物と一緒に「見る」体験をする。画像生成では目の向きが指示どおりにならないことが多いので、コマ絵の視線の向きを検品し、左右が合わないコマは左右反転で直す(文字が入っていないことを確認する)。
この技法を使ったAIアニメ
まだありません。
出典
- Eyeline match
見る人物→見られる対象とつなぎ、視線で空間を結ぶ
- The Attentional Theory of Cinematic Continuity
注意の向け方で、カットをまたいでも連続して見える理屈
- 180-degree rule
二人を結ぶ軸の片側にカメラを置き、左右関係を保つ