アニメ B-04カメラとショット
トラックアップ・トラックバック(T.U.・T.B.)
別名: T.U.、T.B.、寄り、引き、プッシュイン
カメラが被写体に近づくのがT.U.(寄り)、遠ざかるのがT.B.(引き)。注意を集めたり、状況を明かしたりする。
どういう技法か
トラックアップ(T.U.)はカメラが被写体へ前進する動き、トラックバック(T.B.)は後退する動きである。日本の映像用語でも前進をアップ、後退をバックと呼ぶ。アニメでは絵を拡大・縮小して表現し、絵コンテでは開始と終了の枠を描いて矢印でつなぐ。英語圏のプッシュイン/プルアウトにおおむね当たる。カメラワークの中でも最もよく使われる動きの1つである。
なぜ効くのか
寄っていく動きは、見る側の注意を1点に集め、緊張や親密さを高めると説明される。人物の内面に入り込む感覚を生むためである。反対に引いていく動きは、周りの状況を少しずつ明かし、人物を小さく見せることで孤独や距離を感じさせる。サイズの変化を時間をかけて見せるので、カットを切り替えるより心理の変化が滑らかに伝わる。
やり方
- 開始の枠と終了の枠をレイアウトに描き、中心点を決める
- 寄りは感情の頂点や重要な台詞の直前に置く
- 引きは、隠していた状況を明かす場面や締めくくりに使う
- 動きの速さを一定にするか、緩急をつけるかを決めておく
使いどころ
決意や動揺など感情が高まる瞬間、重大な事実の発覚、場面の締めくくりの余韻に使う。寄りは場面の途中、引きは場面の終わりに置かれやすく、組み合わせると1つの場面の起伏が作れる。
やりすぎ・失敗
何でもゆっくり寄ると、単調でどのカットも同じ印象になる。拡大しすぎると絵の粗が見える。T.U.とティルトアップを混同しない。寄りの終点で被写体が中心からずれていると、狙いがぼやける。
AIアニメでの使い方
モーションコミックの寄り・引きは、このT.U./T.B.を画像の拡大縮小で再現する。1〜2分の中で多用せず、感情の頂点のカットにだけ寄りを使うと効く。拡大の上限は元画像の解像度で決まるので、寄るカットのコマ絵は大きめの解像度で発注する。
この技法を使ったAIアニメ
まだありません。
出典
- 映画・映像 業界用語辞典「トラック・アップ/バック」
前進移動がアップ、後退がバックという用語定義
- 絵コンテの描き方・絵コンテ用語の早見表(2014年版)
T.U.は被写体に近づく、T.B.は遠ざかるという絵コンテ用語
- Ultimate Guide to Camera Movement
寄りは緊張や親密さ、引きは文脈や孤立を示すという効果