アニメ B-06カメラとショット
ズームとドリーの違い
別名: Z.I.、Z.O.、ズームイン、ドリー
ズームはレンズの画角を変え、ドリーはカメラ自体が動く。前後関係の変わり方(視差)が違う。
どういう技法か
ズームは、カメラの位置を変えずにレンズの焦点距離を変えて、被写体を大きく・小さく見せる操作である。アニメの略号ではZ.I.(ズームイン)、Z.O.(ズームアウト)と書く。ドリー(トラック)はカメラそのものを前後に動かす。ズームでは手前と奥の位置関係が変わらず平面的に拡大されるが、ドリーでは手前の物が奥より速く動き、視差が生まれる。アニメでは平面の絵を扱うため、この区別は厳密でないことが多いと撮影監督は述べている。
なぜ効くのか
人の目は、手前と奥のずれ方(視差)から、自分が空間の中を動いていると感じる。ドリーは視差を伴うので空間に入っていく感覚を生む。ズームは視差がないため、機械的・人工的な寄りに感じられやすい。急激なズームは強い強調や滑稽さとして受け取られやすいとされる。アニメでも、層を分けて拡大率を変えればドリーに近い効果が出せる。
やり方
- 空間に入り込む感覚がほしいなら、ドリー(層ごとに拡大率を変える)を選ぶ
- 注目点を突きつけたいなら、ズームで一気に寄る
- 素早いズームは喜劇的に見えやすいので、深刻な場面では避ける
- 平面の絵だけで済ませる場合は、両者の差がほぼ出ないと心得る
使いどころ
発見や衝撃の強調にはズーム、場所へ踏み込む感覚や人物への接近にはドリーが向く。両者を組み合わせたドリーズームは、足元が揺らぐような不安や、人物の内面の動揺の表現に使われる。
やりすぎ・失敗
ズームを多用すると素人っぽく見えやすい。一枚絵を拡大するだけのドリーはズームと区別がつかず、狙った奥行きが出ない。深刻な場面で素早いズームを使うと、意図せず滑稽に見えることがある。
AIアニメでの使い方
1枚のコマ絵を拡大するモーションコミックの寄りは、原理上ズームと同じで視差が出ない。奥行きがほしいときは、背景と人物を別レイヤーで持つ必要があるが、現状は新しい絵を起こさないので、ズームであると割り切り、速度をゆっくりにして機械的な印象を和らげる。
この技法を使ったAIアニメ
まだありません。
出典
- What is a Zoom Shot and When You Should Use One
ズームは焦点距離、ドリーはカメラ位置を変えるという違いと効果
- もっとアニメを知るための撮影講座 第4回 カメラワークを考える
アニメではZ.I./Z.O.とT.U./T.B.の区別が厳密でないことが多い点
- Ultimate Guide to Camera Movement
ズームは人工的に感じられ、ドリーズームは奥行き知覚を乱す点