ギリシア・ローマ伝承
汝自身を知れ
汝自身を知れ。γνῶθι σεαυτόν
- 出典
- デルポイのアポロン神殿の前庭に刻まれていた箴言。プラトン『プロタゴラス』343b、パウサニアス『ギリシア案内記』10.24.1 に言及がある
- 原語
- 古代ギリシア語
- 誰の言葉か
- 伝承。その人の言葉として伝わっているが、原典では確認できない。誰の言葉かは定まらない。タレスやキロンなど七賢人の一人に帰する伝承が古代からあるが、神殿の箴言として匿名で伝わったものと見るのが穏当
意味
自分の限界と分際を知れ、という戒め。神の前で人間は有限である、という意味が最初にあり、のちに「自分の内面を吟味せよ」という自己認識の勧めとして読まれるようになった。
背景
神託を求めて神殿を訪れる者が最初に目にする言葉だった。ソクラテスがこの箴言を自分の哲学の出発点にしたことで、ギリシア哲学全体の合言葉になった。
物語で使うなら
主人公が自分の力を過信して失敗する場面の、その前に置く。あるいは師が弟子に、答えではなく問いとして投げる台詞に。作中で意味を説明せず、読者に噛ませる方が効く。