漫画 F-06吹き出し・文字・音
吹き出しを繋げる・分ける
別名: 吹き出しの連結、間を作る
同じ人物の続いた発言は吹き出しを繋げ、間を置きたいときは分けたり絵を挟んだりして、会話の呼吸を作る。
どういう技法か
一人の発言を複数の吹き出しに分けたり、分けた吹き出し同士を繋げたりして、会話の速さと間を調整する技法である。直接くっつけた吹き出しは一続きの発言、細い帯でつないだ吹き出しは少し間のある発言として読まれる。吹き出しの間に隙間を空けたり、別のコマに分けて絵を挟んだりすると、言葉の前に沈黙が生まれる。繋げ方の種類は作品の中でそろえておく。
なぜ効くのか
漫画のコマは一瞬を描くが、セリフが増えるとそのコマの中の時間が長く感じられる。吹き出しを分けて並べると、読者は一つ読むごとに小さな区切りを感じ、そこに時間の経過を読み取る。繋げ方や隙間の大きさを変えれば、同じ言葉でも早口にも、ためらいがちにも読ませられる。吹き出しの配置は、文字に書かれない声の間合いを読者に伝える唯一の手段といえる。
やり方
- 一続きの発言は、吹き出し同士を直接くっつける
- 少し間のある発言は、吹き出し同士を細い帯でつなぐ
- 言いよどみや沈黙の後の言葉は、吹き出しを離して下にずらす
- 決めのひと言の前は、コマを分けて表情の絵を挟む
使いどころ
ためらい、言い直し、話の区切り、決めゼリフの前の溜めを表したいときに使う。長いセリフを読みやすく分けるときにも使う。同じ言葉でも、置き方次第で冷たくも温かくも響く。
やりすぎ・失敗
何でも分けると会話が間延びし、テンポが悪くなる。吹き出し同士の隙間を潰すと、どちらのセリフか分からなくなる。繋ぐ帯が絵の重要な部分をまたぐと見苦しい。帯の形や太さがコマごとに違うのも見苦しい。
AIコミックでの使い方
layout JSONに吹き出しの連結の有無を持たせ、直接連結・帯連結・分離の三つを区別する。溜めを作りたい場面では、ネームの段階で表情だけのコマを一つ追加し、発注書にセリフなしの表情のアップとして書く。
この技法を使ったAIコミック
まだありません。
出典
- ふきだし
最初の吹き出しにだけ尾を付け、他は直接か細い帯で接続する
- 青山剛昌先生 漫画術 -フキダシとセリフのテクニック-
セリフを分けて間に絵を入れる・隙間を作る
- Understanding Comics: The Invisible Art(Tundra Publishing, 1993)
セリフや音が一コマの時間を引き延ばすという考え方