アニメ G-05音と声
効果音の設計
別名: 効果音、SE、サウンドエフェクト
どの動きに効果音を付け、どれを省くかを決め、画面の外で鳴る音で空間を広げる、効果音の組み立て方。
どういう技法か
効果音の設計は、画面の中のどの動きや出来事に音を付け、どれを省くかを決め、画面に映らない音源の音も含めて場面の音を組み立てる作業である。日本のアニメ音響では、効果音は台詞や音楽と別に用意され、最後のダビングで量とタイミングを整える。音源が画面に見えない音は、画面の外にも空間が続いていることを観客に感じさせる。音と絵の切り替え点をずらす J カット・L カットは C-09 を参照。
なぜ効くのか
Chion は、音と絵の組み合わせが単独の和を超える印象を生むと論じた。効果音は絵の動きに重さや速さを足すので、音を付ける動きを選ぶことは、観客の注意を選ぶことでもある。Murch は、同じ種類の音を重ねると二つ半ほどで聞き分けが崩れると述べている。すべての動きに音を付けると、重要な音が埋もれる。画面の外の音は、音源を隠したまま緊張を高め、画面の外の空間という感覚を作るとされる。
やり方
- 場面の中で、物語に必要な動き(開く扉、落ちる物、変わる足音)を先に書き出す
- 物語に関わらない動きの音は省くか、環境音にまとめる
- 同じ種類の効果音を同時に三つ以上重ねない
- 画面の外で鳴る音(遠くの車、隣の部屋の声)で、場所の広がりを示す
- 音源を隠した音は、後で音源を見せる場面と組にして使う
使いどころ
物音が物語の手がかりになる場面、場所の広さや周りの気配を伝えたい場面、音源を隠して緊張を高めたい場面。作画の枚数が少ないカットに、動きの重さや勢いを足したいときにも使う。
やりすぎ・失敗
すべての動きに音を付けると、どれが大事か分からなくなる。画面の外の音が何の音か最後まで分からないと、観客は置いていかれる。絵の動きと音のタイミングがずれると、違和感が強く出る。台詞と同じ瞬間に大きな効果音を重ねると、言葉が聞き取れない。
AIアニメでの使い方
fantasist.org の映像は無音なので、効果音の設計は「どの音を字幕に書くか」を選ぶ作業になる。無音の映像では、物語に必要な効果音だけを字幕の[ ]で示し、動きの強調は画面の揺れや寄りで代える(揺れの処理はスクリプトへの追加が要る。E-04 を参照)。画面の外の音も[遠くで雷]のように字幕で示せるが、読み上げの台詞と同じ時刻には出さない。
この技法を使ったAIアニメ
まだありません。
出典
- Chion, Audio-Vision: Sound on Screen(注解)
音と絵の組み合わせが単独の和を超える印象を生むという付加価値の考え
- Dense Clarity – Clear Density
同じ種類の音は約2.5層で聞き分けが崩れるという説
- Acousmatic sound
音源を隠した音が緊張を高め、画面外の空間の感覚を作る(Chion)
- 現場のお仕事〈アニメ音響制作〉
効果音を台詞・音楽と別に用意し、ダビングで整える工程