アニメ D-10作画と動き

誇張とアピール

別名: exaggeration、appeal、デフォルメ

現実より動きや形を強め、見て惹かれる魅力を持たせる二つの原則。信じられる範囲に収めるのが要点。

どういう技法か

誇張は、動き・ポーズ・表情を現実以上に強調して、意図をはっきり伝える原則である。アピールは、キャラクターに観客を惹きつける魅力を持たせる原則で、俳優のカリスマに例えられる。どちらもディズニーの12原則に含まれる。誇張は単に大きくするのではなく、伝えたい要素を選んで強め、それ以外を控えて釣り合いをとることが求められる。アピールは悪役や脇役にも必要とされる。

なぜ効くのか

画面の動きは一瞬で過ぎるため、現実どおりの控えめな動きは観客に届かないことがある。要点を強めると、短い時間でも感情や意図が読み取れる。一方で、強調が全体に及ぶと何が大事か分からなくなるので、バランスが混乱を防ぐとされる。アピールのある形(はっきりしたシルエット、読みやすい表情)は、観客の注意と共感を集め続ける。

やり方

  1. 場面で伝えたい感情や動作を一つだけに絞り込む
  2. その要素のポーズや表情を一段階強め、他は控えめにする
  3. シルエットだけで何をしているか分かるかを確認する
  4. 脇役や敵にも、見分けやすく魅力のある形を与える

使いどころ

驚き・怒り・喜びなど感情の山場、コメディ、アクションの決め。キャラクター設計の段階で魅力を決めるときにも使う。短い尺で意図を確実に伝えたい場面で特に効く。誇張の度合いは作品ごとに決めておく。

やりすぎ・失敗

全部を誇張すると騒がしく、どこも強調されなくなる。写実的な作風で急に誇張すると世界観が崩れる。アピールを「かわいさ」だけと取り違えると、キャラクターが均質になる。

AIアニメでの使い方

モーションコミックでは、感情の山場のコマを他より長く見せ、大きく寄って表情を強調する。漫画の発注段階で「感情を一段強めたポーズ・表情」を明記しておく。字幕は短く強く、読み上げは声の高さや速さを変えて誇張を補う。将来、動画生成を使う場合、誇張した表情ほど顔が別人になりやすいので、元の絵との同一性を必ず確認する。

この技法を使ったAIアニメ

まだありません。

出典

  • Twelve basic principles of animation(Wikipedia英語版)

    誇張は信じられる範囲での強調、アピールは俳優のカリスマに相当

  • 12 Principles of Animation(CLIP STUDIO PAINT(セルシス))

    誇張をデザイン・表情・動きに適用、脇役にも魅力を

  • The Illusion of Life: Disney Animation(Frank Thomas & Ollie Johnston(Hyperion, 1981))

    12原則を体系的に紹介したディズニーの原典

#作画#12原則#演技

関連する技法