アニメ F-05色・美術・光
コントラストで視線を集める
別名: 明暗差、トーン、コントラストとアフィニティ、視覚的強調
明るさや色の差が大きい所に目が行く性質を使い、見せたい場所に最も強い差を置いて視線を導く。
どういう技法か
画面の中で、周囲と明るさ・色・形の差が大きい所は目立つ。映像の視覚構造を論じたブルース・ブロックは、明るさ(トーン)を基本的な視覚要素の一つとし、その差(コントラスト)と似ていること(アフィニティ)の配分で画面の強弱を作ると説く。アニメでも、見せたい人物や物の周りに最も強い明暗差を置き、それ以外を似た明るさにまとめることで、視線の行き先を決める。
なぜ効くのか
視覚的注意の計算モデルの研究では、色や明るさ、向きなどの特徴が周囲と対比される場所ほど目立ち(顕著性が高く)、注意が向きやすいとされる。目立ち方は周囲の文脈で決まるので、同じ明るさの物でも、暗い背景では強く、明るい背景では弱く見える。画面全体の差を控えめにしておくと、一か所の強い差がいっそう効き、視線の迷いが減る。
やり方
- カットごとに、観客に最初に見てほしい一点を決める
- その一点に最も強い明暗差(または色の差)を置く
- それ以外の部分は明るさや色をなじませ、差を弱める
- 白黒にして、狙った場所が一番目立つか確認する
使いどころ
重要な小物や表情を見せたい場面、情報の多い画面、群衆の中の一人を示したいとき。カットが短く、観客に見る場所を一瞬で伝えなければならない場面でとくに効く。寄りと組み合わせても効く。
やりすぎ・失敗
画面のあちこちに強い差があると、視線が散る。見せたい物以外が一番明るいと、観客はそちらを見てしまう。差を強めすぎると、画面が硬く疲れ、長く見ていられなくなる。差は一か所に絞る。
AIアニメでの使い方
コマ絵を選ぶとき、白黒にして見せたい場所が最も目立つかを確認する。目立たないコマは、寄りで余計な部分を画面から外すか、周辺をわずかに暗くする処理(周辺減光)で差を作る。字幕は画面の強い明暗差と重ならない位置に置き、見せたい場所と競合させない。
この技法を使ったAIアニメ
まだありません。
出典
- The Visual Story: Creating the Visual Structure of Film, TV and Digital Media
トーン・色などの視覚要素とコントラスト/アフィニティの考え方
- The Visual Story, Chapter "Tone"
トーン(明るさ)の差が注意を集めるのに使われるという章の説明
- Computational modelling of visual attention
色・明るさなどの特徴の対比が顕著性を生み注意を向けるという研究