アニメ D-07作画と動き
フォロースルーとオーバーラッピング
別名: follow through、overlapping action、送り、遅れ
体が止まった後も髪や服が動き続け、部位ごとに動きのタイミングをずらすことで、自然な慣性を表す原則。
どういう技法か
ディズニーの12原則の一つ。フォロースルーは、本体が止まった後も、髪・服・尻尾など緩くつながった部分が慣性で動き続けることをいう。オーバーラッピングは、体の各部位が違う速さ・違うタイミングで動くことを指す。腕を振ると肩が先に動き、肘、手首、指先の順に遅れて追いつく。これにより、全身が一斉に動く機械的な印象を避ける。
なぜ効くのか
現実の物体は慣性を持ち、柔らかい部分ほど遅れて動き、遅れて止まる。観客はこの遅れを経験から知っているので、遅れがない動きは硬く不自然に感じる。逆に、止まった後に髪や布が少し揺れるだけで、重さと素材感が伝わる。部位ごとのずれは、動きの流れを一つながりの波として見せる効果もあり、ポーズからポーズへの移りを滑らかにする。
やり方
- 本体の動きを先に決め、止まる位置を確定する
- 髪・服・装飾など柔らかい部分を別の層に分ける
- 柔らかい部分は本体より数コマ遅れて動き出し、遅れて止まるようにする
- 止まった後に小さく振り戻す揺れを1〜2往復入れる
使いどころ
走って急停止する、振り向く、マントや長い髪のキャラクターが動く場面。動きの終わりに余韻を残したいとき。体の大きな動作を、肩から指先への流れとして見せたいときにも使う。
やりすぎ・失敗
揺れを長く続けすぎると、ゼリーのように締まりがなくなる。全部の部位を同じだけ遅らせると、ずれが単調になる。硬い物にまで遅れをつけると素材感がおかしくなり、世界の物理が揺らぐ。
AIアニメでの使い方
モーションコミックでは、カメラの移動を止めるときに、目標位置を少し行き過ぎてから戻る(オーバーシュート)イージングを使うと、フォロースルーの余韻が出る。ただし揺れは1回に留める。字幕の出し入れも本体の動きから数フレーム遅らせると、画面の動きに一体感が出る。将来、動画生成を使う場合、髪や布の揺れは得意な一方、止まるべき所で止まらないことがあるので確認する。
この技法を使ったAIアニメ
まだありません。
出典
- Twelve basic principles of animation
緩くつながった部位の慣性と、部位ごとの速度差の定義
- 12 Principles of Animation
髪が止まった後も動く例と、部位を別レイヤーに分ける方法
- The Illusion of Life: Disney Animation
12原則を体系的に紹介したディズニーの原典