現代ファンタジー
現代を舞台にした幻想・超常の物語。日常の隣にある不思議。(3作品)
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ダンジョン対策課の窓口係 第二話 喋らない嘱託
再任用の武田照夫は、週に三日、午後から来る。ほとんど喋らない。書類の整理と、入域口の立ち会いだけをやっている。十二年前、この市で最初に穴へ入った十四人のうちの一人だった。その武田が、第七層へ入る申請を出している。目的欄は、調査。同行者、なし。退域予定の欄だけが、空いたままになっていた。

ダンジョン対策課の窓口係 第一話 書式が違います
東雲市役所の三階、南の端にダンジョン対策課がある。職員は四人。万年係長の黒木隆之は、剣も魔法も持たない四十七歳の公務員で、できることは十二年分の申請書を覚えていることだけだ。その日、受付四十一件。差戻し六件。そして、第七層の申請が今週だけで十二件あった。去年の同じ週は、二件だった。

貸家の階段
駅から十五分、坂の途中に建つ古い貸家。住む人が変わるたびに、玄関の階段の段数が増えたり減ったりするという。新しく越してきた在宅ワーカーの女が気づいたのは、その段数が、そこに暮らす人の抱える未練の数だということだった。