漫画 J-01媒体と読みやすさ
右綴じ・左綴じと読む方向
別名: 右開き、左開き、読み順
縦書きの日本の漫画は右綴じで、翻訳版では左右反転や綴じ方向の変換が問題になる。綴じ方向に合わせて絵の流れを設計する前提知識。
どういう技法か
本の綴じる側と、ページ内のコマ・吹き出しを読む順序の関係である。日本の漫画は台詞が縦書きのため右綴じで、ページは右から左へめくり、コマは右上から左下へ進む。横書きの言語圏向けに翻訳する際、かつては絵を左右反転して左綴じにすることが多かったが、作者の要望や読者の支持を受け、北米では反転しない右綴じのままの刊行が一般的になったとされる。反転すると時計の針や利き手が逆になり、台詞と矛盾する例も指摘されている。
なぜ効くのか
綴じ方向は、絵の流れの向きを決める。右綴じでは右から左への流れが「前へ進む」向きになり、人物の移動や視線の向きをこれに揃えると、コマからコマへ自然に目が進む。翻訳のために左右を反転すると、流れの向きは保たれるが、時計や利き手、文字など、反転すると不自然になる要素が現れる。反転せずに刊行すれば絵は原作どおりに保たれ、読者には右から左へ読むことを求める形になる。ページ内の読み順そのものは C-01 を参照。
やり方
- 作品の綴じ方向を最初に決め、ネームの読み順をそれに合わせる
- 右綴じでは、物語の進む向き・移動の向きを右から左に揃える
- 翻訳版を出す場合は、反転するかどうかを先に決め、反転なら時計・文字・利き手を点検する
- 横書き版に変換する場合は、吹き出しの形と文字の向きが絵に収まるか確かめる
使いどころ
すべての作品の設計段階。翻訳や海外配信を予定しているとき、横書きの台詞を使うとき、縦スクロールと併用するとき。登場人物の移動や対決の向きを、読む方向と合わせて設計したいときにも意識する。
やりすぎ・失敗
左右反転で綴じ方向を変えると、文字・時計・利き手などが台詞と矛盾する。縦書きと横書きの吹き出しを混ぜるのも混乱のもと。人物の移動の向きが場面ごとに揺れると、前に進んでいるのか戻っているのか分かりにくくなる。
AIコミックでの使い方
画像そのものには方向がないが、構図の向き(進む方向・視線の向き)は右綴じ前提で発注書に書く。「右綴じ:人物は画面右から左へ走る」。layout JSON ではコマと吹き出しを右上から左下の順に並べ、縦書きの吹き出しを使う。縦スクロール版では上から下へ並べ替えるので、ページ版と縦版で吹き出しの順序が同じになるよう確認する。
この技法を使ったAIコミック
まだありません。
出典
- 翻訳漫画の綴じ方|セリフや吹き出し、コマの進み方を考える
縦書きゆえの右綴じと、反転時の時計・利き手の矛盾
- Manga outside Japan
翻訳時の左右反転と、北米での無反転(右綴じ)刊行の普及