漫画 G-04効果線・記号・トーン
漫符
別名: マンガ記号、感情記号
汗マーク、怒りの青筋、照れ線、縦線などの記号で、人物の感情や感覚を目に見える形にする。
どういう技法か
感情や感覚を、顔の周りや頭の上に描く記号で表す技法である。焦りの汗粒、怒りを示す青筋のマーク、頬の照れ線、落ち込みを示す顔の縦線、ひらめきの電球、恋心のハートなどがある。「漫符」という呼び名は、相原コージと竹熊健太郎の『サルでも描けるまんが教室』が初出とされる。夏目房之介も漫画の記号表現を論じている。
なぜ効くのか
漫符は表情だけでは伝わりにくい感情を、決まった形の記号で補う。研究では、頭の上に描く記号は、よく使われる慣習的なものほど理解が速く、顔の表情と合っていると理解されやすく、合っていないと処理に手間取ることが示されている。読者は漫符を一種の語彙として覚えて読んでいる。慣習的な記号を使えば、小さなコマでも感情を確実に伝えられる。
やり方
- 作品で使う漫符の種類を決め、形をそろえる
- 漫符は、顔の表情と同じ感情を示すものを選ぶ
- 位置は慣習に従う(汗は頭の横、青筋はこめかみ、縦線は顔の上部)
- 一つの顔に付ける漫符は、一〜二個までに絞る
使いどころ
コメディや日常の場面で感情を手早く伝えたいとき、小さなコマで表情が描き込めないとき、感情の変化を強調したいときに使う。デフォルメした絵柄や、ギャグの間を作る場面では特に効果が高い。
やりすぎ・失敗
シリアスな場面で漫符を使うと、場面が軽くなる。見慣れない独自の記号は、読者に意味が伝わりにくい。表情と反対の漫符は混乱を招く。記号の位置が慣習とずれると、別の感情と読まれるおそれがある。
AIコミックでの使い方
生成AIに漫符を描かせると形が不安定になりやすい。発注書では表情だけを具体的に書き、漫符は作品で決めた画像素材として合成で重ねる方法がある。重ねる位置はlayout JSONで人物の顔の座標に対して指定する。
この技法を使ったAIコミック
まだありません。
出典
- 漫符
漫符の定義と汗・青筋・照れ線などの例、呼称の初出
- サルでも描けるまんが教室(小学館)
漫符という呼び名が初めて使われたとされる入門書
- Meaning above (and in) the head: Combinatorial visual morphology from comics and emoji(Memory & Cognition, 2022)
慣習的な記号ほど理解が速く、表情との一致が理解を助ける