漫画 E-02時間・間・テンポ

クロージャー

別名: 補完、間白の想像

読者がコマとコマの間の見えない出来事を想像で補い、一続きの動きや時間として受け取る働き。

どういう技法か

McCloudが用いた概念で、部分を見て全体を知覚する読者の働きを指す。漫画では、二つのコマの間の間白で起きたことは描かれていないが、読者は経験をもとにそれを補い、一続きの出来事として理解する。McCloudはこの働きを漫画の文法にたとえ、間白を時間と動きが生まれる場所とした。とかげねこの解説も、物を拾うなどの動作はすべてを描かなくても読者が自然に補うと説明している。

なぜ効くのか

読者が自分で補った出来事は、見せられた出来事より強く参加感を持つ。例えば、殴りかかるコマと倒れているコマの間の打撃は描かれていないが、読者はその一撃を想像し、しばしば描かれた絵より強く感じる。この働きがあるから、漫画は限られたコマ数で長い時間や複雑な動きを表せる。補う量が多すぎると、読者は何が起きたか分からなくなる。

やり方

  1. 動作の始まりと結果だけを描き、途中は読者に任せる
  2. 衝撃の瞬間そのものは描かず、直前と直後のコマで見せる
  3. 補ってほしい出来事の手がかり(音・影・破片など)を後のコマに置く
  4. 読み返して、コマの間に何が起きたか説明できるか確かめる

使いどころ

暴力や事故などを直接描かずに伝えたい場面、動作を省略してテンポを上げたい場面、読者の想像で怖さや余韻を強めたい場面で使う。読者に推理させたい謎の場面でも使える。

やりすぎ・失敗

補わせる量が多すぎると、読者はつながりを見失う。特に場所や人物が同時に変わると、何が起きたか推測できない。手がかりを描かずに省略するのは単なる説明不足である。読者の経験で補えない特殊な出来事は描いて見せる。

AIコミックでの使い方

1話15コマ前後では、全動作を描けないので省略は必須である。発注書では、省略した出来事の「結果の手がかり」(倒れた椅子、濡れた服など)を具体的に書く。前後のコマの人物の位置関係を一致させないと、読者は補えないので、立ち位置を毎コマ明記する。

この技法を使ったAIコミック

まだありません。

出典

#時間#クロージャー#理論

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