ピノッキオの冒険
Le avventure di Pinocchio
- 作者
- カルロ・コッローディ
- 発表
- 1881–1883年
- 国
- イタリア
- 媒体
- 小説
木彫りの職人ジェッペットが作った操り人形ピノッキオが、嘘をつくと鼻が伸びる体を抱えたまま放浪し、人間の子どもになるまでを描く物語。1881年に新聞連載として始まり、1883年に単行本としてまとめられた。
主人公は人間ではなく木でできた人形であり、嘘という内面の状態が鼻の長さという外形の変化に直結する設計になっている。内面を台詞ではなく体の造形で可視化するこの仕組みは、キャラクターの性質を見た目に翻訳する手法の古い実例として参照される。助言を与える喋る蟋蟀、鼻の伸びを指摘する妖精、人を騙す狐と猫といった脇役も、それぞれ一つの機能に絞って配置されており、人形が人間になるという主筋を役割の分担で支える構成を取っている。
この作品が使っている物語の型
- 人間と人ならざるもの妖・精霊・付喪神など、人ではない存在と人間との間に結ばれる関係性。種としての違いを都合よく消さず、異質さを保ったまま心を通わせられるかが書きどころになる。
- 成長と代償人物が何かを得るために別の何かを手放さざるを得ないという交換の構造を扱うテーマ。強く賢くなる過程で失われたものの重さを描けるかが鍵になる。
- アイデンティティの探求自分が何者であるかを、出自や役割ではなく自分自身の選択によって定義し直そうとする人物を描くテーマ。答えを外から与えず、迷う過程そのものを中心に据える。
- 擬人化道具や場所、暦といった人でないものに人の形と気性を与える型。元の物が持つ性質を人の振る舞いに翻訳できているかどうかで、成否が分かれる。