アニメ G-08音と声
ナレーションの使い方
別名: ボイスオーバー、語り、モノローグ
画面の外から語る声で、時間の飛躍・状況説明・人物の内面を伝える技法。絵で見せられる情報と重ねない。
どういう技法か
ナレーションは、画面に映っていない語り手の声で物語を補う技法である。第三者の語り手が状況を説明するものと、登場人物が自分の内面を語るもの(モノローグ)がある。Sarah Kozloff は、アメリカ映画のボイスオーバーを分析し、語りは観客との親密さや皮肉を生む力を持ち、「語る」ことが「見せる」ことに必ずしも劣らないと論じた。アニメでも、時間の経過や世界観の導入、人物の心の声に使われる。
なぜ効くのか
語り手の声は、観客に直接話しかけるため、画面の出来事と観客の間に案内役を置く効果がある。また、絵と語りが少しずれた情報を出すと、観客は両者を照らし合わせて意味を読み取るので、単なる説明以上の余韻が生まれる。逆に、絵が見せていることを語りが繰り返すと、観客は同じ情報を二度受け取り、退屈に感じる。語りの声は画面の外にあるため、絵の時間とは別の時間(回想や後日談)を重ねることもできる。
やり方
- 語り手が誰か(第三者か人物本人か)を最初に決め、途中で変えない
- 語りは絵で見せられない情報(時間、過去、心の中)に限る
- 語りの声は台詞と区別できる高さ・速さにする
- 語りの入る区間はカットを長めにし、絵を落ち着かせる
- 語りの字幕は台詞と書式を分ける(括弧や位置で区別)
使いどころ
物語の導入、時間の飛躍、回想、人物の決意や本音を伝える場面。短尺で状況説明の時間がない場合や、絵だけでは経緯が分からない場合にも有効で、冒頭と結びにだけ置く使い方もある。
やりすぎ・失敗
絵を見れば分かることを語ると冗長になる。語りが多すぎると、登場人物の芝居で見せる場面がなくなる。語り手の立場が途中でぶれると、観客はだれの視点か分からなくなる。
AIアニメでの使い方
fantasist.org のモーションコミックでは、ナレーションは静止画の弱さ(動きで見せられない)を補う主要な手段である。台本で話者を「語り」として登場人物と別に定義し、声の高さ・速さを登場人物と変える。字幕は語りだけ位置や括弧を変えて区別する。コマ絵に描かれていない出来事は語りで補い、絵にある情報は語らない。
この技法を使ったAIアニメ
まだありません。
出典
- Invisible Storytellers: Voice-Over Narration in American Fiction Film
語りは親密さや皮肉を生み、「語る」は「見せる」に劣らないとする
- SpeechSynthesisUtterance
lang・pitch・rate・voice・volume と start・end・boundary イベント