アニメ G-07音と声
声の芝居の付け方と台本の書き方
別名: ディレクション、アフレコ台本
台詞を抑揚・間・強弱でどう言うかを決め、演者や音声合成に伝わる形で台本に書き込む技法。
どういう技法か
アニメの台詞は、脚本家が書いた後、絵コンテで演出家が秒数とともに調整し、専門業者がアフレコ台本にまとめる流れが紹介されている。台本には台詞と、感情に関わるト書きが残される。収録では音響監督が、しゃべり方・感情・速さを演出する。声の芝居は、抑揚(高低)だけでなく、間(沈黙)と強弱(一語の強調)で組み立てると伝わりやすいと、演技指導の現場では説明されることが多い。
なぜ効くのか
聞き手は、台詞の中で強く言われた一語を意味の中心として受け取る。全体に抑揚を付けると、どこが大事か分からなくなる。また、台詞の前後の間は、話し手が考えている時間として受け取られ、内面があるように感じさせる。Ed Hooks は、思考が感情と動きに先立つと述べており、声の芝居でも「何を考えてこの台詞を言うか」を先に決めると、自然な抑揚が生まれる。
やり方
- 台詞ごとに、その人物の目的(何をしたくて言うか)を一行で書く
- 一つの台詞で強調する語を一つ選び、台本で印を付ける
- 間を置く位置に記号(例:「……」や/)を入れ、長さの目安を書く
- 感情のト書きは形容詞より状況で書く(例:怒って→相手の嘘に気づいて)
- 声の高さ・速さの基準を人物ごとに決め、表にしておく
使いどころ
会話劇、独白、感情の転換点。台本を複数人で共有する制作や、音声合成に読ませる場合は、書き込みの粒度がそのまま仕上がりを決める。収録や読み上げの前に、読み合わせで違和感のある台詞を洗い出すときにも使う。
やりすぎ・失敗
感情のト書きを全台詞に付けると、演者が自分で考える余地がなくなり芝居が単調になる。強調語を複数指定すると効果が消える。台本の句読点が多すぎると、読み手が不自然に区切る。
AIアニメでの使い方
fantasist.org の読み上げ台本(narration.ja.json)では、話者ごとに声の高さ(pitch)と速さ(rate)を決め、台詞ごとに微調整する。音声合成は抑揚の細かい指定が難しいので、強調したい語の前後に読点を置く、間は台詞を分けて空白時間を取る、といった「書き方」で芝居を作る。感情の強い台詞は速さを少し落とすと落ち着いて聞こえる。
この技法を使ったAIアニメ
まだありません。
出典
- 実写のドラマや映画とは違う?「アニメのセリフ」ができるまで
脚本→絵コンテ→アフレコ台本の流れと、口パクの尺の目安
- “声の抑揚”がワンパターン?“間と強弱”で変わる伝わり方
抑揚より、間と一語の強調で伝わり方が変わるという指導
- Acting for Animators(第5版)
思考が感情と動きに先立つ、場面は目的と障害で組むという原理
- 現場のお仕事〈アニメ音響制作〉
アフレコ・音楽・SE・ダビングの工程と、音響監督・ミキサーの役割