漫画 H-07人物の演技
デフォルメ(ギャグ顔・等身の切り替え)
別名: ギャグ顔、SD、ちびキャラ化
普段の絵柄から頭身を縮めたり顔を記号化したりして、場面の温度を一瞬で切り替える技法。
どういう技法か
シリアスな絵柄の人物を、二〜三頭身の小さな姿や、目や口を極端に簡略化した「ギャグ顔」に一時的に描き替える技法である。講座では、二頭身は頭と胴と脚の比がおおむね2対1対1、三頭身は1対1対1程度とされ、元の人物の特徴(まつ毛や髪型など)を残すことが大事だと説明される。汗や怒りの印など、感情や状態を表す記号(漫符)を添えることも多い。記号については G-04 を参照。
なぜ効くのか
絵柄が急に簡略化されると、読者は「ここは冗談の場面だ」という合図として受け取り、緊張を解く。McCloudは『Understanding Comics』で、単純化された絵ほど読者が自分を重ねやすいと論じており、デフォルメには感情を大づかみに伝える働きもある。シリアスとの落差が大きいほど笑いと息抜きの効果が出る。
やり方
- 人物ごとに、残す特徴(髪型・目の形・服の印)を決めておく
- 場面の区切りでデフォルメに切り替え、同じ場面の中で頻繁に戻さない
- デフォルメの頭身は、作品内で2種類程度に揃えて統一する
- 汗・怒りマークなどの記号は一コマに一つか二つに絞る
使いどころ
シリアスな展開の合間の息抜き、ツッコミや照れの場面、日常回、キャラクター同士の軽いやりとり。緊張の高い章の合間に短く入れると、読者の緊張をほどき、次の山へ向けて気持ちを整える役目を果たす。
やりすぎ・失敗
緊迫した場面の最中に入れると、積み上げた緊張が崩れる。特徴を削りすぎると誰か分からなくなる。デフォルメの頻度が高いと、本来の絵柄の重みが下がる。切り替えと戻りの合図をはっきりさせる。
AIコミックでの使い方
デフォルメ絵は通常の絵柄と別物として生成されやすく、人物の一致が崩れやすい。発注書で「同じ人物の二頭身デフォルメ、髪型と服の色・形は通常時と同じ」と残す特徴を列挙する。漫符は生成に頼らず、合成時に素材として重ねるか、layout JSON の描き文字で扱うと安定する。
この技法を使ったAIコミック
まだありません。
出典
- ミニミニ!キャラクターのデフォルメ講座
二頭身・三頭身の比率と、特徴を残すデフォルメの手順
- Understanding Comics: The Invisible Art(Tundra Publishing, 1993)
単純化された絵に読者が自分を重ねやすいという議論