世界観
世界観 ― 古いアパートと、駅裏の食堂
現代日本の架空の街。築四十年の二階建てアパート、駅裏の食堂、在宅校正の仕事。壁一枚と玄関一つの距離を、正確に決めておく。実在の街・店は出さない。
現代日本。街の名前は出さない。実在の店・出版社・鉄道は出さない。
アパート
- 築四十年、二階建て、全六室。二階は二〇一〜二〇三。ナオが二〇三、ヒナが二〇二。二〇一は空き
- 壁は薄い。隣の換気扇の音が聞こえる。夕方五時に換気扇が回ると、ヒナが帰ってきた合図
- 各室の玄関は外廊下に面していて、扉の前に器を置く場所がある(牛乳箱の跡)。ヒナは右に置く。左に置いた日が一度だけある(第5話)
- 大家の宇野さんは一階の一〇一に住み、階段の下がよく見える
食堂
- 駅裏の、席が十二の食堂。店主の堂島と、ヒナと、洗い場の人が一人。昼と夕方だけ開ける
- 定食は日替わり一種。ヒナが作る。店主は仕込みと会計
- 「一人前多く出す」のは店主の癖でもある(第7話)
ナオの仕事
- 出版社の外注校正。ゲラが宅配で届き、赤を入れて返す。締切は月に二回、大きいのが年に四回
- 校正の細部を、毎話一場面。誤字、ルビ、字間、日付の矛盾。この目で隣人の嘘を見るが、原稿と違って赤を入れない
- 在宅で夜型。夕飯は深夜二時。ヒナはそれを知っていて、器は冷めても味が落ちないものにしてある
時間
- 第1話は秋。第1巻で冬を越えて春の手前まで
- ヒナが越してきたのは半年前の春。祖母が亡くなったのはその一年前。夕飯が始まったのは第1話の三か月前(夏)