伏線表
伏線表 ― 作りすぎる理由と、返していない皿
ヒナがなぜ一人前だけ作りすぎるのか、ナオがなぜ指摘しないのか、返していない小皿が三枚ある理由。第1巻で置く九本と回収先。全部先の筋。
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真相(読者には第8話で半分、第12話で全部)
ヒナは一年半前まで、祖母と二人で暮らしていた。祖母の食が細くなってからも、ヒナは二人前を作り続けた。祖母が亡くなって一年、家を引き払ってこのアパートに越してきた(半年前)あとも、手が二人前を作る。余った一人前を捨てられない。だから隣に置いた。最初はそれだけだった。
三か月経って、ヒナはナオの食べる量に合わせて作るようになった。作りすぎではなく、作っている。それを本人は認めない。認めると、祖母の一人前が、別の人の一人前になるから。
ナオが指摘しないのは、夕飯が止まるから、と自分に言っている。本当は、四年前、世話を焼いてくれた人(元恋人)から、理由も言わずに逃げたことがあるから。台所の小皿三枚は、その人の皿で、返していない。ヒナが「作りすぎた」と言うときに一度だけ目を伏せるのを見て、訊く資格が自分に無いと思っている。第11話で受け取らなかったのは、その夜、ナオが小皿の持ち主のことを初めてヒナに言いかけて、言えなかったからだ。第12話で皿を返しに行くのは、ヒナの器と、四年前の小皿の、両方。
第1巻で置くもの
| No | 伏線 | 置く話 | 回収する話 |
|---|---|---|---|
| 1 | 一人前の量がナオの食べる量とぴったり | 2 | 8(三日見れば分かる。見ていた) |
| 2 | 器がいつも同じ一つ。ヒナの部屋には四つある | 1 | 8(祖母の器) |
| 3 | ナオが返していない小皿が三枚 | 1 | 11(四年前の元恋人の皿)→ 12(両方を返しに行く) |
| 4 | 「作りすぎたので」と言うとき、一度だけ目を伏せる | 1 | 11(ナオが訊かない理由) |
| 5 | 献立が減った夜(味噌汁だけ) | 3 | 8(祖母の月命日) |
| 6 | 大家が階段の下から見ている | 2 | 9(鍋の日に、大家が鍋を貸す) |
| 7 | 食堂で定食が一人前多い | 7 | 8(店主も知っている) |
| 8 | 校正の赤が減っている、と編集が言う | 3 | 10(締切の三日、赤が戻る。おにぎり) |
| 9 | 第5話の弁当。ナオは誰にも言っていないのに、出かける日を知られている | 5 | 5(大家が階段の下で、朝の出がけを見て伝えた) |
長期の到達点(読者には見せない)
- 第2巻: 二人で食べるのが当たり前になる。ヒナの台詞が増える。それが不安になる
- 第3巻: ナオが引っ越すかどうか。壁一枚が無くなる話
- 最終的な問い: 世話を焼くことと、好きになること。どちらが先か