各話プロット

各話プロット ― 第1巻 全12話(献立で進む)

第1巻12話の起承転結。毎話一品の献立と、皿の置き方が一つ変わる。肉じゃがから始まり、肉じゃがで終わる。先の筋。

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一話の構造は「玄関の器 → 献立 → 校正の仕事の一場面 → 皿の置き方が一つ変わる → ナオが言わない」。ヒナの台詞は第1巻で十一個だけ(「作りすぎたので」六回を含む)。どの話で何を言うかを、ここで決める。

話献立ヒナの台詞起きること皿の置き方
1肉じゃが「作りすぎたので」三か月目。ナオが初めて礼を言いに行く。器は蓋つきの一つ。台所に、返していない小皿が三枚(ヒナのではない)玄関の右
2焼き魚「作りすぎたので」量がナオとぴったり。大家が階段の下から見ている右。魚の向きが揃っている
3味噌汁だけ―献立が減った夜。ヒナの部屋の灯りが早く消える。編集が「赤が減った」と言う右。器が小さい
4カレー「作りすぎたので」「本当に」二日続けて同じ。本当に作りすぎた。ナオが初めて笑う右。鍋ごと
5弁当―ナオが昼に出かける日。誰にも言っていない。玄関に弁当。朝の出がけを階段の下で見た大家が言ったのだと分かる左(初めて)
6何もない―夕飯が来ない。ナオが食堂を探して行く。店の前まで行って入らない無し
7食堂の定食「いらっしゃいませ」翌日、店に入る。ヒナは何も言わない。店主が定食を一人前多く出す店の卓
8煮物「作りすぎたので」「祖母の」ヒナの妹が二〇二と二〇三を間違えて訪ねてくる。祖母のこと。器は祖母の。味噌汁の夜は月命日右。器が違う
9鍋「食べますか」大家が鍋を貸す。二人で食べる。初めて。認めない。壁越しに食べるのと変わらない距離で卓の真ん中
10おにぎり―ナオの締切、三日。玄関におにぎりが三日。赤が戻る右。紙に包んで
11冷めた夕飯「作りすぎたので」ナオが受け取らない。理由はナオの側。小皿三枚の持ち主(四年前に逃げた相手)のことを言いかけて、言えなかった夜右。朝まで置いたまま
12肉じゃが(再)「作りすぎたので」「……はい」第1話と同じ献立。ナオが初めて返す。「作りすぎてないですよね」。認めない。ヒナの器と、四年前の小皿三枚を、返しに行く。引き右。だが皿は、ナオの手

第1話「肉じゃが」の起承転結

  • 起 深夜二時、校正の手を止めて玄関を開けると、蓋つきの器が右に置いてある。三か月、毎晩。今夜は肉じゃが
  • 承 ナオは食べる。量がちょうどいい。台所に、返していない小皿が三枚。ヒナのではない。校正者の目が「作りすぎた人は一人前を余らせない」と言っている
  • 転 翌夕、初めて隣の扉を叩く。「いつも、ありがとうございます」。ヒナは器を受け取り、「作りすぎたので」とだけ言う。一度だけ、目を伏せる
  • 結 ナオは「……いや、そこはいいんだけど」と言いかけて、やめる。部屋に戻ると、玄関の右に、もう今夜の器が置いてある