世界観
世界観 ― 河口都市ハルモントと、検疫所の決まり
魔法の無い王国の河口都市。大河を上り下りする船が全部ここを通り、検疫所が旗の色で船を通すか止めるかを決める。検疫の手順、旗、隔離島、船名簿、そして検疫官の三つの階級。作中の病はすべて架空。
魔法は無い。あるのは河と、船と、旗と、帳面。
河口都市ハルモント
- 大河が海に出る場所にある交易都市。上流の三つの国の船も、海の向こうの船も、全部ここを通る
- 街は東岸と西岸に分かれ、検疫所は河の中の中洲にある。船は中洲の検疫所で検めを受けてからでないと、どちらの岸にも着けられない
- 中洲の下流に隔離島。止めた船と人はそこで待つ。最短三日、最長四十日
検疫所の決まり
- 入港する船は、まず検疫所の桟橋に着ける。検疫官が乗り込み、旗を掲げる
- 白旗=通す/黄旗=三日止める(様子見)/赤旗=隔離島へ/黒旗=入港拒否(河へ戻す)
- 検める順番は決まっている。船名簿 → 船員の脈と目 → 荷の外側 → 荷の中身 → 書類の日付。順番を飛ばしてはいけない(飛ばすと見落とす、というのが検疫所の教え)
- 荷は「開けた荷は検疫官が閉じる」。閉じた封に検疫官の印を押す。印の無い荷は岸で受け取ってもらえない
- 検疫官は三階級。上番官(所長格、二人)/二番官(書類と隔離島の管理、五人)/三番官(現場、船に乗る、十二人)
- 検疫官は、船の上では王の代理。船長より上。ただし岸に降りれば、ただの役人
病について
- 作中の病は全部架空。「河熱」「白咳」「湿り病」などの名で呼ぶ。症状も架空にする
- 病の見方は三つ:脈(速いか、飛ぶか)/目(白目の色)/匂い(荷と船室)。この三つが、セラが人の嘘を見るときにも使う道具になる
- 薬は出さない。検疫所は治す場所ではなく、止める場所
船と荷
- 上流から来るのは塩・麻・木材・穀物。海から来るのは香料・硝子・布・書物
- 船名簿は出港地の役所が作り、検疫所で照合する。名簿と顔が合わなければ黄旗以上(検疫官の判断で赤にできる)
- 沈没船の引き揚げ荷にも検疫が要る(第6話)
街の人たち
- 東岸は商人の街、西岸は職人と船乗りの街。検疫所の官は中洲の官舎に住み、岸に家を持たない者が多い
- 検疫所と岸の商人は、いつも少し仲が悪い。止めれば損をするのは商人だから