伏線表
伏線表 ― 四十七通の契約と、十年前の火事
悪女の評判がどこから来たか、四十七通の契約が何のためだったか、十年前の火事で誰が死んだか。第1話で置く十本と、その回収先。アデルが説明しない理由も書いてある。全部先の筋。
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先の筋が全部書いてあります。
悪女の評判の由来(読者には第8話で半分、第12話で全部)
アデルが嫁いだ当時、侯爵家は長兄の代で、賭博と借財で沈みかけていた。十年前の冬、屋敷の東棟が焼けた。火元は長兄の書斎で、長兄はそこで死んだ。火事は長兄自身が起こした(証文を燃やすため)。アデルはそれを知っていて、隠した。
家を守るには、誰かが憎まれ役を引き受けて、債権者と縁者を力ずくで押し返すしかなかった。夫(次男。当時二十八歳で当主になった)は誠実だが押し返せない人だった。だからアデルが悪女になった。夫は最後まで、それが妻の選択だと気づかない。
第1話で置くもの
| No | 伏線 | 置く話 | 回収する話 |
|---|---|---|---|
| 1 | 離縁状に、アデルが迷わず判を押す | 1 | 12(十年前から用意していた。判は新しくない) |
| 2 | 四十七通の契約の写し | 1 | 4(塩の輸送権)→ 9(河港の桟橋の使用権)→ 12(全部が一本につながる) |
| 3 | アデルは一度も「悪女ではない」と言わない | 1 | 8(否定したら、誰が本当にやったかを言うことになる) |
| 4 | 侯爵が「すまない」と言う。アデルは「何がですか」と返す | 1 | 12(侯爵が初めて理由を知る場面で、同じ台詞をアデルが返す) |
| 5 | リゼットがアデルに怯える | 1 | 5(怯えの理由は侍女頭に吹き込まれた噂)→ 10(リゼットが味方になる) |
| 6 | 東棟が焼けたまま建て直されていない | 1 | 8(火事の真相)→ 11(建て直しの費用が商会から出ていた) |
| 7 | 老番頭が十年間送り続けた帳面 | 2 | 6(アデルは全部読んでいた)→ 12(商会を潰さなかったのはアデル) |
| 8 | 弟クレイの「姉さんが怖い」 | 2 | 7(怖いのは姉ではなく、姉に見抜かれること) |
| 9 | ヴィナが「あんたの名前は、河港では高く売れる」と言う | 3 | 9(悪女の名が信用として通用する。悪評は信用の一種) |
| 10 | 侍女頭マルタが噂の出所 | 5 | 10(マルタはアデルに頼まれて流していた) |
長期の到達点(読者には見せない)
- 第2巻: 商会が王家の御用達を狙う。元夫の家との取引が始まる
- 第3巻: アデルは再婚しない。悪女の名を、商会の屋号にする
- 最終的な問い: 引き受けた悪評は、いつ下ろしていいのか