オズの魔法使い
The Wonderful Wizard of Oz
- 作者
- ライマン・フランク・ボーム
- 発表
- 1900年
- 国
- アメリカ
- 媒体
- 小説
竜巻でオズの国へ飛ばされた少女ドロシーが、家へ帰るためエメラルドの都を目指す物語。道中で脳のない案山子、心臓のないブリキの木こり、勇気のない臆病ライオンが加わり、四人と一匹の旅になる。
同行者を、何が欠けているかによって一人ずつ定義する構成を取っており、案山子は知恵、木こりは心、ライオンは勇気という具合に、欠落がそのまま外形と一対一で結びつけられている。読者は姿を見た瞬間にその人物の課題を把握でき、旅の目的地も各自の欠落から自動的に導かれる。藁は燃え、ブリキは錆びるというように、素材の違いが体の壊れ方や弱点まで規定しており、造形上の設定がそのまま場面の障害として機能する作りになっている。
この作品が使っている物語の型
- 相棒(バディ)特定の任務や仕事のために組まされた二人が、互いを認め合っていく関係性。性格や手法の違いがぶつかり合いながらも、次第に欠かせない存在になっていく。
- アイデンティティの探求自分が何者であるかを、出自や役割ではなく自分自身の選択によって定義し直そうとする人物を描くテーマ。答えを外から与えず、迷う過程そのものを中心に据える。
- 人間と人ならざるもの妖・精霊・付喪神など、人ではない存在と人間との間に結ばれる関係性。種としての違いを都合よく消さず、異質さを保ったまま心を通わせられるかが書きどころになる。
- できないことの設定何ができるかではなく、何ができないかを先に決めておく型。できないことが障害と見せ場を同時に用意し、都合のよい解決を封じる。
- 欠けたところのある相棒有能さではなく、欠けたところによって主人公と噛み合う相棒の関係性。相棒が完璧でないからこそ、主人公が手を貸す側に回る場面が生まれる。