タンタンの冒険
Les Aventures de Tintin
- 作者
- エルジェ
- 発表
- 1929年
- 国
- ベルギー
- 媒体
- 漫画
少年記者タンタンと犬のスノーウィが世界各地の事件に巻き込まれる冒険漫画。1929年に新聞の子ども向け付録で連載が始まり、均一な輪郭線で描く作画は後にリーニュ・クレールと呼ばれる系譜の代表とされる。
主人公は点で示した目とひとふさの前髪だけで構成され、表情も出自もほとんど与えられない造形になっており、読者が自分を重ねる器として働く。その周囲に、罵倒語を連発する船長、耳の遠い教授、見分けのつかない双子の刑事といった、外見も癖も過剰な脇役を配置することで、群像の中で誰が誰かを一目で判別できる。太さの変わらない輪郭線と影を落とさない彩色は人物と背景を同じ密度で描くための処理であり、識別を線の強弱ではなく形そのものに担わせる設計になっている。
この作品が使っている物語の型
- 相棒(バディ)特定の任務や仕事のために組まされた二人が、互いを認め合っていく関係性。性格や手法の違いがぶつかり合いながらも、次第に欠かせない存在になっていく。
- 人間と人ならざるもの妖・精霊・付喪神など、人ではない存在と人間との間に結ばれる関係性。種としての違いを都合よく消さず、異質さを保ったまま心を通わせられるかが書きどころになる。
- 影絵で見分ける顔が見えなくても輪郭だけで誰かが分かる、という約束を物語に持ち込むモチーフ。形が名前の代わりを務めるぶん、形が狂った瞬間に人物の同一性が揺らぐ。