ウォーリー
WALL·E
- 作者
- アンドリュー・スタントン
- 発表
- 2008年
- 国
- アメリカ
- 媒体
- 映画
人間の去った地球で、ごみを圧縮し続ける旧型ロボットのウォーリーが、探査機として飛来した白い機体イヴと出会う長篇アニメーション。前半は台詞をほとんど用いず、機械の動作だけで物語を進める構成を取る。
主人公は顔にあたる部分を双眼鏡型の二つのレンズだけで構成し、口も眉も持たない。感情はレンズの間隔と傾き、首の角度で示され、表情筋のない機械に演技をさせるための最小限の可動部が設計されている。対するイヴは継ぎ目のない曲面と浮遊で構成され、直線的で錆びた四角い主人公と対比される。古い機械と新しい機械という設定の差が、角ばった形と丸い形、接地と浮遊という造形上の対比に翻訳されており、二体の関係が言葉なしで理解できる作りになっている。
この作品が使っている物語の型
- 人間と人ならざるもの妖・精霊・付喪神など、人ではない存在と人間との間に結ばれる関係性。種としての違いを都合よく消さず、異質さを保ったまま心を通わせられるかが書きどころになる。
- 相棒(バディ)特定の任務や仕事のために組まされた二人が、互いを認め合っていく関係性。性格や手法の違いがぶつかり合いながらも、次第に欠かせない存在になっていく。
- 孤独と連帯一人でいることを選んだ、あるいは選ばされた人物が、他者との緩やかなつながりを見つけていくテーマ。連帯を「恋愛」に矮小化しないことが、このテーマ特有の難しさであり魅力でもある。
- 喋らない登場人物台詞を持たない登場人物を置く型。その意図は必ず誰かの解釈を経て届くため、読み取る側の願いや後ろめたさのほうが描き出される。
- 表情の型その人物が見せる顔を数種類に絞っておくモチーフ。持ち札が限られているからこそ、どれでもない顔がたった一度現れたときに場面が決まる。