SPY×FAMILY
- 作者
- 遠藤達哉
- 発表
- 2019年
- 国
- 日本
- 媒体
- 漫画
スパイの父、殺し屋の母、心を読む超能力者の娘が、互いの正体を隠したまま任務と受験のために偽装家族を演じるホームコメディ。全員が秘密を抱えた疑似家族という設計で、国内外で爆発的な人気を得た。
2019年に配信媒体で連載が始まった。任務のための偽装だったはずの家族が、演じるうちに本物の情へ近づいていくという構図が物語の心臓で、正体の秘匿というスパイものの緊張を、家庭内のすれ違いコメディへ転用した設計が秀逸である。唯一全員の秘密を知る娘アーニャの視点が笑いの発生装置になっており、血縁も真実もないところから始まる家族という主題は、疑似家族ものの系譜の現代的な到達点となっている。
この作品が使っている物語の型
- 偽りの家族血のつながりがないまま、事情によって家族を演じる、あるいは家族のように暮らすことになる関係性。演技として始まった関係に本物の情が宿っていく過程が読みどころになる。
- 二重生活表の顔と裏の顔、あるいは二つの場所・二つの名前を同時に生きる人物を描くテーマ。切り替えの瞬間そのものを見せ場にできるかが設計の鍵になる。
- 正体の秘密登場人物が自分の本当の姿・出自・過去を隠して生きているテーマ。読者にだけ明かすか、最後まで隠すかで、サスペンスの種類が変わる。