点と線

作者
松本清張
発表
1957年
日本
媒体
小説

九州の海岸で発見された男女の死体は心中とされたが、刑事たちは列車時刻表に潜む僅かな空白に不審を抱く。アリバイ崩しを軸に、犯罪の背後にある組織の腐敗を描いて社会派推理小説の流れを決定づけた長編。

1957年から翌年にかけて連載され、1958年に刊行された。トリックの中心に全国の列車時刻表という誰もが検証できる公共の資料を置いたことで、謎解きを名探偵の専有物から地道な捜査の積み重ねへ引き下ろした。犯罪の動機を個人の情念ではなく汚職の構造に求める姿勢は「社会派」と呼ばれる潮流を生み、以後の日本ミステリの主流を長く規定した。移動と時刻という近代的な素材を物語装置に変えた代表例である。

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