怪盗紳士ルパン
Arsène Lupin, gentleman-cambrioleur
- 作者
- モーリス・ルブラン
- 発表
- 1905年
- 国
- フランス
- 媒体
- 小説
変装の名人にして紳士の泥棒アルセーヌ・ルパンが、警察を翻弄しながら鮮やかな盗みを重ねる連作短編。1905年の雑誌掲載で登場し、義賊的な怪盗というキャラクターの型を世界に定着させた。
最初の短編は1905年に雑誌に掲載され、1907年に第一短編集が刊行された。犯罪者を主人公に置きながら、盗む相手を悪人や強欲な富者に限り、暴力を避け、機知と粋を信条とする造形によって、読者が泥棒に喝采を送れる形式を完成させた。逮捕された状態から物語が始まる第一作のような、種明かしの鮮やかさを競う構成も特徴である。日本では翻案・翻訳を通じて広く親しまれ、ルパン三世をはじめ後継の怪盗像の源流となった。
この作品が使っている物語の型
- 正体の秘密登場人物が自分の本当の姿・出自・過去を隠して生きているテーマ。読者にだけ明かすか、最後まで隠すかで、サスペンスの種類が変わる。
- 二重生活表の顔と裏の顔、あるいは二つの場所・二つの名前を同時に生きる人物を描くテーマ。切り替えの瞬間そのものを見せ場にできるかが設計の鍵になる。
- ライバル同じ分野・同じ舞台で競い合う対等な関係性。敵ではなく、認め合っているからこそ負けたくないという感情が、独特の緊張と敬意を生む。